旧永山武四郎邸と旧三菱鉱業寮が保存活用工事を終え、23日から一般公開を開始した。前日のオープニングセレモニーには、周辺地域の関係者らが集まり、歴史を感じさせる憩いの空間の誕生を祝った。
サッポロファクトリーに隣接した、中央区北2条東6丁目の永山記念公園内にあり、邸宅部は道の指定有形文化財。北海道庁長官を務めた永山武四郎の私邸として明治10年代に建設。W造、平屋、136m²で、和室と洋室が混在する当時の上流住宅の特色を伝えている。
寮は、W造、2階、延べ524m²。三菱鉱業のクラブハウスとして邸宅に隣接し1937(昭和12)年ごろに増築。木造骨組みを表面に見せたハーフティンバー様式や丸窓など洋館デザインが特徴だ。
2年半の耐震補強、保存活用工事でリニューアル。寮の1階にはカフェレストラン「ナガヤマレスト」を開業するなど、訪れる人が歴史や空間を味わいつつ「利用できる」施設に生まれ変わった。
22日のセレモニーでは秋元克広市長、山田一仁市議会議長、東北連合町内会の若林雅教会長がテープカット。周辺で都市型居住の開発が進む中、秋元市長は「暮らしのシンボルとして多くの人に楽しんでもらえれば」と話していた。