日本建設機械施工協会北海道支部(熊谷勝弘支部長)は27日、札幌工高でICT活用技術の出前授業を行った。ICT建設機械施工や3次元計測など最新技術を生徒たちに体験してもらい、担い手確保・育成に向けて職場環境が大きく変わる建設業界をPRした。
同支部では、北海道開発局と道の協力を受け、建設産業の新たな魅力を伝える「建設技術担い手育成プロジェクト」を3月に設置。2018年度の活動として道内の土木系学校でICTを活用した建設技術の出前授業を行う。
札幌工高の出前授業には80人の生徒が午前と午後の部に分かれて参加した。午前の部の座学では、ICTを活用した建設施工として行政が推進する技術を紹介。TS(トータルステーション)やレーザースキャナーを使った3次元計測とデータ活用方法を解説し、省力化や品質確保、労災防止などの効果を伝えた。講師を務めた鈴木勇治プロジェクトリーダーは「ICTはデジタル世代の若者向きで、即戦力になる人材」と呼び掛けた。
実習はICT建設機械試乗や自動追尾式のTS、GNSSローバーを使った計測を体験し、機器の操作方法を聞きながら作業に取り組んだ。ドローンによる測量やVR(仮想現実)技術も学び、VR体験でヘッドマウントディスプレーを装着した生徒たちは「すごいリアル」などと驚嘆。普段の授業では深く学ばない技術に大きな関心を持ったようだった。
同校の梶邦明土木科長は「ICTに興味を持つ生徒がたくさんいる。この授業で建設業の印象が変わり、思い出に残ることで就職につながっていくと思う」と話した。