道議会の北海道地方路線問題調査特別委員会は28日、JR北海道の事業範囲見直し問題に関して、鉄路維持への考え方の真意を問うため、島田修社長ら経営陣を参考人として招致した。島田社長は、道が策定した交通政策総合指針に基づき、地域と収支改善策の定期的な検証をしながら、国や地域からの支援による効果を最大限発揮させるとし、「検証は、路線廃止やバス転換を前提とするものではない」とあらためて強調した。
17日の記者会見で島田社長は、輸送密度200人以上2000人未満の維持困難な8線区について、収支の改善状況により存廃を含めた検討の可能性があることを示唆し、後日発言を訂正した。参考人招致は2月以来の2度目で、島田社長や西野史尚副社長、小山俊幸副社長らが出席した。
喜多龍一委員長(自民党・道民会議)は道の指針を基に「路線廃止を前提とする考え方では検討する余地がない」と指摘した。
島田社長は、記者会見などで正しく真意を伝えられなかったことを謝罪し、個別路線の協議に期限を設けないことや8線区の維持に向けて全力を挙げることを表明した。地域へ丁寧に説明する考えを示し、グループの経営再生見通し案を説いた。「持続可能な交通体系の構築に向け、指針を重く受け止めるとともに、当社の問題解決に当たっても、まさに指針として取り組む」とした。
また、新千歳空港駅から苫小牧方向への延伸について西野副社長は「ぜひ実現したい」と述べ、国の支援を求めるため、必要性の理解促進に努めるとした。
終了後の記者会見で喜多委員長は「本当に足並みそろえて、オール北海道として取り組んでいけるのか疑念は晴れない」と述べた。