札幌市は、2019年度の住宅・建築物安全ストック形成事業に、事業費ベースで22億1900万円の要望額を積み上げている。さっぽろ芸術文化の館や中央体育館の解体工事費に約15億円を計上したことから、18年度配分比の7・9倍に膨らんだ。民間建築物の耐震化促進は、意向調査から資金需要の増加を見込み、3・1倍の増額を要望する。
北海道開発予算で市が4億円の国費を要望する社会資本整備総合交付金事業を、事業費ベースでまとめた。
さっぽろ芸術文化の館(北1条西12丁目)は、後継施設の札幌文化芸術劇場(同1丁目)が10月7日に開業するため、ホテルが8月末で営業を終了し、ホール棟が9月末で閉館。
ホテル棟が耐震性能不足のため、19―20年度の2カ年で、約22億円の事業費を投じ解体に入る計画だ。要望には1年目の解体、設計・監理費など12億3600万円を盛り込んだ。
ホテル棟、ホール棟からなる芸文館はRC一部SRC造、地下1地上8階、延べ3万2790m²。解体工事に20億円、設計・管理2億円を見込み、札幌日総建で進める実施設計の中で詰めていく。
中央体育館(大通東5丁目)解体の要望額は3億1000万円。北4東6周辺地区再開発事業で移転建て替えを進めている新施設の完成に合わせ、19年度単年度で解体を予定する。規模はRC造、4階、延べ5505m²。実施設計は北洋設備設計が担当している。
民間建築物の耐震化促進には、前年度配分比3・1倍の5億800万円を要望する。要緊急安全確認大規模建築物を対象にした改修・建て替え補助の活用では、基本設計を18年度末までに着手する必要があり、駆け込みによる資金需要の増加を考慮し、大幅に増えた。
このほか、国費要望に関連した市有建築物の特定天井対策は2・5倍の1億2700万円を充て、設計10施設、改修2施設を見込む。札幌市資料館の耐震補強とリノベーション実施設計に1・2倍の2600万円、民間のアスベスト除去対策には同額の1200万円を計上した。