2日から3日にかけて道北を中心に降った大雨により、旭川市内でも市道22カ所が冠水したほか、ペーパン川、倉沼川で溢水(いっすい)が起きるなど市内全域で被害が生じた。
前線の影響により、旭川市は144・5㍉と7月の観測史上最大となる降雨量を記録。市道は10カ所で通行止めとなり、冠水は22カ所、陥没・欠損は3カ所、洗掘は1カ所、土砂流出は2カ所、路肩・法面崩壊は5カ所に上った。特に永山11―12条1・2丁目、忠和2―3条6丁目、忠和3条3丁目付近では大きな冠水が発生した。
また、リベライン旭川パークドリームランドなど石狩川、忠別川、美瑛川の河川敷にある公園11カ所も浸水。住宅被害は床上6戸、床下5戸を数えた。
市内の道所管施設では、道道上雨紛台場線富沢橋の橋台が洗掘したほか、瑞穂東川線東旭川町瑞穂地区では路肩決壊が起きた。河川はペーパン川早苗橋付近で約6㌶、江丹別川正隆橋付近で約3㌶にわたって溢水。東川町など周辺自治体を含めた集計では、12河川で約62㌶と広範囲に及んだ。
■天人峡美瑛線では370mで路盤流失 被災状況
上川総合局は、2―3日の大雨で被災した天人峡美瑛線の被災状況を公表した。4カ所、延長370mで被害が発生し、一部は2016年に起きた大雨・台風災害の被災箇所と重複している。仮復旧は16年災害時と同様に舗装を剥がした上で大型土のう、砂利、敷鉄板等で対応する工法を検討中だ。
同線では、並行する忠別川が大雨で増水するなどして洗掘が進み、路面が基礎ごと流出し半断面まで欠壊している箇所もあるという。被災箇所は天人峡温泉側の起点から約6320―6530m地点の210m、7300m付近の100m、7450m付近の20m、7800m付近の40m。上川管内は4日も雨が続いており、同局は被害規模が変動する可能性もあるとしている。
同線を所管する旭川建管は、路盤の流失箇所を土のうで補てんした上で敷鉄板を設置する応急工法で対応することを考えている。