外部改修工事に伴い休館している札幌市時計台で、正面部分の工事用足場に実物大の写真を印刷した、プリントシートが貼られている。これから夏の観光シーズンを迎えるが、観光客らは工事中でも写真撮影などで楽しむことができそうだ。
中央区北1条西2丁目に位置する時計台は、旧札幌農学校演武場として1878年に建設。国の重要文化財にも指定され、札幌市のシンボル的存在として観光地としても人気だ。
一方、老朽化が進んでいることから、4月から塗装の塗り替えや部材交換などの外部改修に着手。高橋組(本社・函館)の施工で、工期は10月15日までを予定する。
これを受け、6月1日から10月31日の期間は休館。また建物の回りには作業用足場を設置しているため、外観も見れない状態だった。
■シート31枚使用し実物を表現
しかし観光スポットとして人気が高く、これからは夏の観光シーズンも控えているため、東京・浅草寺の雷門や明治神宮の工事で取り入れられていた、プリントシートを札幌市でも導入した。
シートは、縦5・1mと6・8m、横が各1・8mの2種類を計31枚使用して実物大の時計台を表現。作業は11日に社員ら6人が約2時間かけてシートを貼り付けた。
12日には仮囲いに施設内部の展示物を紹介するパネル16枚を設置し、合わせて23日から市役所本庁舎1階でも期間限定で同様のパネルを展示。休館中でも時計台の魅力発信に努めている。
現場代理人の伊藤明久建築部工事長は「工事を知らないで訪れる観光客らも多いので、実物ではないが時計台を楽しんでもらえればうれしい」と話していた。