道が取りまとめた2017年度の道内市町村別体験移住実績によると、釧路市が滞在者数、滞在日数とも2位以下に大きく差をつけ、7年連続で1位となった。
「涼しい釧路で避暑生活を」をキャッチコピーに官民一体でPR活動や滞在施設確保などに取り組む釧路市の滞在者数は、前年度から8.2%、108人増の1419人と伸びを継続。ただ、滞在日数は3.6%、802日少ない2万1303日で、10年度以来の減少となった。
道内市町村などが運営主体となり、道内への移住や2地域居住を希望する人に家具や家電を備え付けた住宅などで体験移住してもらう「ちょっと暮らし」の実績をまとめたもの。
道内全体では滞在者が1.4%増の3949人、滞在日数は0.6%減の8万6888日、滞在者の居住地を見ると首都圏が約4割、近畿圏が約3割、中京圏が1割弱となっている。
釧路市の居住地別内訳は、関東が655人(240人増)、近畿が643人(139人減)、中部が59人(21人増)、中国が23人(1人増)、九州が15人(1人減)、東北が13人(9人減)、四国が10人(増減なし)、道内が1人(5人減)。
施設別滞在日数はホテルが1万307日(156日増)、マンスリーマンションが1万183日(1509日減)、グループリビング等が813日(551日増)と、マンスリーマンションの低下が目立つ。
滞在期間別では1―2週間が最多の747人(52人増)、1週間未満が426人(62人増)、1―2カ月が115人(6人増)、2カ月―1年が88人(11人減)、2週間―1カ月が43人(1人減)という状況で、長期間滞在者の減少が滞在日数短縮に結び付いた。
年齢別に見ると、60代が994人、70代が276人、80代が92人と60歳以上が全体の96.1%を占めている。
釧路市の長期滞在施策を所管する市民協働推進課の小畑由紀交流推進主幹は、前年度の滞在日数減少について「北海道横断自動車道関連工事などでの施設利用が重なり、前年度前半には『予約が取りづらい』という声があった」と説明。
市が紹介できる滞在施設は7、8月が予約でほぼ満室状態になっているが、8月のLCC就航や、西日本を襲った豪雨災が今後にどう影響してくるのか注視する考えだ。
滞在施設の増強に関しては、ピーク時は不足気味だが、これ以上増やすと閑散期に大量の空室が出てしまうと懸念。「他の季節も活用されるようでないと厳しい。若い人の滞在を増やすことも課題」と話している。
このほか釧根管内からは中標津町が滞在者数5位、滞在日数8位、根室市が滞在者数10位に入っている。