国の文化審議会は19日、2020年に国連教育科学文化機関(ユネスコ)の世界文化遺産登録を目指す候補として「北海道・北東北の縄文遺跡群」(北海道、青森、岩手、秋田の3県)を選んだ。6回目の挑戦で突破した。政府は自然遺産の候補と調整し、19年2月までにユネスコに推薦する。
縄文遺跡群は、集落跡や貝塚、祭祀(さいし)、精神的活動の痕跡など縄文時代を代表する独特の地域文化圏が繁栄した地域の17遺跡で構成。このうち道内には、大船遺跡(函館)、垣ノ島遺跡(同)、キウス周堤墓群(千歳)、北黄金貝塚(伊達)、入江貝塚(洞爺湖)、高砂貝塚(同)の6遺跡が所在し、約1万年にわたり自然と共存しながら続いた縄文文化の変遷を示している。
文化審議会は「金を中心とする佐渡鉱山の遺産群」(新潟県)も審査したが、推薦を見送った。
ユネスコは世界遺産の推薦枠を20年の登録審査から文化と自然合わせて1国1件に限定する。世界自然遺産として「奄美大島、徳之島、沖縄島北部および西表島」(鹿児島県、沖縄県)が20年の登録を目指しており、政府がどちらを推薦するか調整する。
高橋はるみ知事は、縄文遺跡群が世界遺産候補となったことを受け、同日の記者会見で「採集文化を現代に伝える貴重で高い価値が認められた」と話し、国内候補に選出されるよう関係機関への働き掛けを強める考えを示した。