道立高等技術専門学院建築技術科の2017年就職率は、前年度から6.3ポイント下回る92%にとどまった。9割以上を維持したものの、3年ぶりにマイナスに転じた。一方、訓練生の充足率は18年度が57.8%と2年連続で減少。著しい伸び悩みに道はものづくりへの興味が薄れてきていると危機感を募らせている。
道経済部が建築技術科を置く札幌、函館、旭川、北見、帯広、釧路の6校を対象に集計した。1校当たりの定員は20人だったが、北見が16年度、釧路が17年度、函館が18年度から10人に削減している。
就職状況を見ると、13年度は100%に達し、その後も90%台を維持している。17年度は希望者50人のうち46人が就職。依然として高い水準を保っているが、就職率は前年度を下回った。
■訓練生減少に危機感
一方、定員充足率は10年度の87%をピークに14年度には半数を割った。16年度からは定員を削減したものの、大幅な回復には至っていない。地域別に見ると18年度は札幌が95%と最も高く、旭川と帯広が各60%だった。北見は40%、釧路は30%、函館は20%と半数を割っている。道では在籍人数が半数を割った場合、定数削減を検討するとしている。
同部人材育成課は入校希望者が減少している要因として「ものづくりへの興味が薄れている」と分析。また、景気回復が充足率の減少につながっているとしている。景気が悪化し、求人率が低下した09、10年度は技術を身に付けようと充足率は80%を超えた。しかし、景気回復とともに充足率は低下した。
北海道労働局がまとめた17年度建設業の有効求人倍率は前年度から0.67ポイント増の3・29倍。特に建築・土木・測量技術者は4・9倍と人手不足が深刻化している。道の担当者は「入校希望者は減少しているが企業からの需要は依然として高い」と話す。
道はこうした課題を受け、年度内に今後の高等技術専門学院運営方針を策定し、配置の在り方や地域産業との連携などについて見直す方針だ。