円山動物園 新施設整備で「北海道ゾーン」など検討

2018年07月31日 08時00分

 札幌市円山動物園は、北海道に生息する生物を飼育する「北海道ゾーン」新設などの施設整備を検討している。中長期的な運営方向性を示す基本方針案で、既存の熱帯鳥類舘周辺を中心とした「南米ゾーン」の整備や、類人猿館の改築などと合わせて想定。庁内で実現可能性を探る考えだ。

 基本方針「ビジョン2050」の検討部会(委員長・吉中厚裕酪農学園大准教授)を30日に同園で開催。事務局が示した基本方針案では、今後飼育する動物を選定するコレクションプランを整理した。

 市民の関心の高い動物や整備に関わるものを3つに分類して記載し、積極的に飼育・繁殖に取り組む「推進種」には、北海道産動物やフンボルトペンギン、オランウータンなどを位置付けた。

北海道ゾーンの整備を検討する海獣舎周辺

 これに基づき想定される施設整備として、海獣舎跡地周辺を対象に北海道ゾーンの新設を提示。園内で飼育しているオオワシ、エゾタヌキ、エゾリスといった道内生息種を集めるほか、必要種を導入し、北海道の自然環境と生物の関係を知るきっかけとなる場所とする。

 南米ゾーンは、南米にすむ生物の獣舎に加えて、フンボルトペンギンを飼育する、丘陵地を含んだ施設を整備する計画。熱帯鳥類舘内ではほ乳類、鳥類の混合展示を実施する考えだ。

 老朽化した類人猿館では、健康、安全で野生本来の行動ができる「動物福祉」に配慮し、オランウータンを飼育できる施設に改築する方針。樹上行動などに配慮した施設が必要とし、熱帯雨林の必要性を伝え、来園者が保全活動に関われるきっかけとなる施設を想定した。

 小動物と触れ合えるこども動物園では、環境教育の機能を強化するため、施設拡充を図る方向で検討する。

 撤退した種の飼育スペースなどは推進種を中心とした動物の福祉充実のため活用する見通し。

 これらを盛り込んだ基本方針案は今後、庁内で精査。12月の意見公募を経て、2019年2月に公表するスケジュールを描く。

 施設整備のスケジュールなどは、今後検討する実施計画に位置付ける見込みだ。


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