JR日高線(鵡川―様似間)沿線地域の公共交通に関する調査・検討協議会は7月30日、新ひだか町公民館で5回目の会合を開いた。以前から訴えてきた日高線全線復旧のほか、代替案として鵡川―日高門別間の鉄道運行再開と日高門別―様似間のバス転換、鵡川―様似間のバス転換を加えた3案に絞り込んだ。
会合は日高管内7町とむかわ町の各町長、松浦英則日高振興局長、北海道運輸局の佐藤秀典鉄道部長らが出席して非公開で行われ、終了後に日高町村会長の坂下一幸様似町長が報道陣の取材に応じた。
2017年11月の前回会合で学識者の見解を得て調査・検討結果をまとめた。これを実現可能性、住民の足の確保、経済的合理性という3つの視点で、交通モード案を精査。車両開発などに課題があるデュアルモードビークル(DMV)、鉄道跡を利用する専用区間が既存バス路線より大きく迂回することになるバス高速輸送システム(BRT)は「この地域には難しい」として検討案から外した。
鉄道とバスを組み合わせる方策に関しては、鵡川―日高門別間は線路が被災していない上、同区間を利用する苫小牧方面への通学生が多いことから提案した。
15年から自然災害で不通となっている日高線は「運休の原因が他線区とは違う」と強調し、「鉄道に災害復旧の制度があるのにJRや国、道はやってこなかった」と指摘。「災害復旧として求めていく」と日高線全線再開への考えをあらためて表明した。
協議会は今会合をもって解散。今後は町長会議の場で検討を進め、最終的な判断は11月をめどに示す。