おとなの養生訓

おとなの養生訓 第141回「座りすぎ」 脳や体に悪影響与える

2018年08月10日 07時00分

 最近、「座りすぎ」が問題であると認識されるようになりました。デスクワーク、車の運転、電車の中、家での団らんなど、座っている時間は思いのほか多いものです。ある調査によると、日本人が一日で座っている時間は合計7時間ぐらいで、世界で一番長く座っている国民なんだそうです。そして、一日8時間ぐらい座っている人は、がん、糖尿病、高血圧などを発症する危険性が、一日4時間ぐらい座っている人に比べて高いことが分かったのです。座りすぎは危険なのです。

 座るということは、体に負担をかけない行為だと信じられてきました。何か仕事をしていて、一息つくときは椅子に座るものです。実際、座っている間は足の筋肉はまったく活動を停止していて、休んだ状態になっています。

 でも、この筋肉を全く使っていない状態が、逆に、体に悪影響を与えているのです。10年くらい前から問題視されているエコノミークラス症候群もその一つです。同じ姿勢で長い時間足を動かさないでいると、足の静脈で血液がよどんで血栓ができ、それが肺に詰まって、胸痛や呼吸困難、死の危険性が生じるものです。

 座りすぎると、必ずエコノミークラス症候群になるわけではありませんが、危険性はあります。さらに、足の筋肉が活動停止していると、その分、エネルギーを消費しないことになるので、肥満の傾向が強くなり、生活習慣病が起こりやすくなると推測できます。

 さらに日々の運動習慣が、脳の活動を活性化させることが分かっていますので、座りすぎは必然的に脳への悪影響を及ぼすと考えられます。実際、座りすぎでは脳の活動が低下傾向になる、すなわち「ぼーっ」となりやすいという研究結果も出ています。

 座りすぎは良くないとしても、仕事の時間を減らすわけにもいきません。そこで、対策としては、30分に1回の割合で、トイレやお茶などで席を立つように心がけることです。喫煙自体は勧められませんが、喫煙の時、立ったままでいるというのも一つの方策です。

 立っているだけで、足の筋肉はかなり使うことになるからです。欧米ではやりだしているのは、立ったまま仕事をすることです。書類もパソコンも立ったまま。これが意外と仕事の効率も高まるのだそうです。そういえば、欧米のバーは椅子がありませんね。

(札医大医学部教授・當瀬規嗣)


おとなの養生訓 一覧へ戻る

ヘッドライン

ヘッドライン一覧 全て読むRSS

web企画
  • イイファス
  • 北海道水替事業協同組合
  • 東宏

お知らせ

閲覧数ランキング(直近1ヶ月)

札幌駅前に新タワービル JR北海道が不動産事業を強化
2019年04月10日 (4,097)
札幌・北4西3街区再開発 5月にも準備組合発足
2019年03月28日 (3,370)
札幌・南2西7に112室のホテル ユニホー
2019年03月27日 (2,499)
札幌市民ホール 愛称は「カナモトホール」
2019年02月15日 (2,492)
新幹線札樽トンネル、今秋から立坑掘削 札幌で工事開始
2019年04月22日 (2,219)

連載・特集

連載 おとなの養生訓 new

おとなの養生訓
第157回は「バーボン」。お勧めの飲み方はトウモロコシの香りが引き立つロックです。

連載 北海道遺産

北海道遺産
開拓や経済・生活の発展に貢献した6件を紹介します。