「れんが積み」など技能評価認定へ 道の制度活用を検討

2018年08月15日 14時00分

 北海道メーソンリー工事業協会(山本敏一会長)は、2011年度で技能検定が廃止された「コンクリート積みブロック施工」と「れんが積み」について、企業などによる技能評価を道が公に認める「北海道技能評価認定制度」の認定に向けた検討を始めた。これまで同制度に認定されているのは、デンソー北海道(本社・千歳)によるIC製品組み付けのみ。人材育成や技能者の社会的・経済的地位向上の見地からも、建設業界を含めた広がりが期待される。

 技能検定が実施されていない職種・作業について、企業や団体が独自に行う技能評価を、申請に基づき道が認定する制度。17年12月に運用開始した。

 認定には、道内に事業所などがあるか、定期実施しているか、評価基準が明確・適切かといった要件がある。道によると、1978年の愛知県を皮切りに「全国で6、7都道府県ほどが導入している」という。

 本道認定第1号のデンソー北海道は、半導体センサーの生産に欠かせない技術である、IC製品組み付けで3月に認定された。

 建築ブロック、エクステリアの施工業者で組織する道メーソンリー工事業協会は、この制度に着目。コンクリート積みブロックは、護岸や土留めなどを築造する技術で、重要性は高く、道内には赤れんが庁舎をはじめ、れんがを用いた建造物が多い。

11年に実施された、最後のれんが積み技能検定の様子

 秋田谷三雄専務理事は、技能検定により、技能士を育成し、技能を伝承していくシステムが成り立っていたとした上で「資格がなければ施工できないとしないと、技能士になる人がいなくなる」と強調。「かつて北海道には30を超えるれんが工場があったが、今は数カ所。れんがを積む人がいなくなれば、れんがも作られず、その産業自体がなくなってしまう」と危惧する。

 道は、18年度分の申請を10月末まで受け付けている。所管する経済部人材育成課では「技術力や従業員のモチベーション向上、技能伝承のフォローにもつながると思う。いろいろな企業や団体に活用してほしい」と話している。


ヘッドライン

ヘッドライン一覧 全て読むRSS

e-kensinプラス入会のご案内
  • 北海道水替事業協同組合
  • 古垣建設
  • 川崎建設

お知らせ

閲覧数ランキング(直近1ヶ月)

おとなの養生訓 第245回 「乳糖不耐症」 原因を...
2023年01月11日 (1,375)
函館―青森間、車で2時間半 津軽海峡トンネル構想
2021年01月13日 (1,288)
おとなの養生訓 第43回「食事と入浴」 「風呂」が...
2014年04月11日 (1,279)
アルファコート、北見駅前にホテル新築 「JRイン」...
2024年04月16日 (1,075)
藻岩高敷地に新設校 27年春開校へ
2022年02月21日 (989)

連載・特集

英語ページスタート

construct-hokkaido

連載 おとなの養生訓

おとなの養生訓
第258回「体温上昇と発熱」。病気による発熱と熱中症のうつ熱の見分けは困難。医師の判断を仰ぎましょう。

連載 本間純子
いつもの暮らし便

本間純子 いつもの暮らし便
第34回「1日2470個のご飯粒」。食品ロスについて考えてみましょう。

連載 行政書士
池田玲菜の見た世界

行政書士池田玲菜の見た世界
第32回「読解力と認知特性」。特性に合った方法で伝えれば、コミュニケーション環境が飛躍的に向上するかもしれません。