北海道メーソンリー工事業協会(山本敏一会長)は、2011年度で技能検定が廃止された「コンクリート積みブロック施工」と「れんが積み」について、企業などによる技能評価を道が公に認める「北海道技能評価認定制度」の認定に向けた検討を始めた。これまで同制度に認定されているのは、デンソー北海道(本社・千歳)によるIC製品組み付けのみ。人材育成や技能者の社会的・経済的地位向上の見地からも、建設業界を含めた広がりが期待される。
技能検定が実施されていない職種・作業について、企業や団体が独自に行う技能評価を、申請に基づき道が認定する制度。17年12月に運用開始した。
認定には、道内に事業所などがあるか、定期実施しているか、評価基準が明確・適切かといった要件がある。道によると、1978年の愛知県を皮切りに「全国で6、7都道府県ほどが導入している」という。
本道認定第1号のデンソー北海道は、半導体センサーの生産に欠かせない技術である、IC製品組み付けで3月に認定された。
建築ブロック、エクステリアの施工業者で組織する道メーソンリー工事業協会は、この制度に着目。コンクリート積みブロックは、護岸や土留めなどを築造する技術で、重要性は高く、道内には赤れんが庁舎をはじめ、れんがを用いた建造物が多い。
秋田谷三雄専務理事は、技能検定により、技能士を育成し、技能を伝承していくシステムが成り立っていたとした上で「資格がなければ施工できないとしないと、技能士になる人がいなくなる」と強調。「かつて北海道には30を超えるれんが工場があったが、今は数カ所。れんがを積む人がいなくなれば、れんがも作られず、その産業自体がなくなってしまう」と危惧する。
道は、18年度分の申請を10月末まで受け付けている。所管する経済部人材育成課では「技術力や従業員のモチベーション向上、技能伝承のフォローにもつながると思う。いろいろな企業や団体に活用してほしい」と話している。