上位50社は2割増の2090億円 4―6月のゼネコン受注高

2018年08月11日 08時00分

 北海道建設新聞社は、2018年度第1四半期(4―6月)のゼネコン道内受注高ランキングをまとめた。首位は215億円を受注した中山組で、調査の集計方法を暦年から年度に変更した07年度以降、初めて200億円を超えた。第1四半期としては16年度、17年度、18年度と3年連続でのトップ。2位は前年度同期に比べ3倍となり、初めて100億円台に乗せた岩田地崎建設で、3位には過去最高額を計上した大林組が入った。4位の飛島建設までが100億円以上の受注。上位50社の受注総額は前年度同期に比べ18.9%増の2092億1200万円に上り、初の2000億円台に。民間建築が07年度以来の1000億円超えの最高額を更新し、官庁土木も過去最高額を記録した。全265社の平均受注額は12億7500万円。(51位以下は6、7面に)

 ■中山組が3年連続首位に

 上位10社は、本州大手と道内が半々という内訳。前年度第1四半期に比べて岩田地崎建設、大林組、飛島建設、鹿島、熊谷組、戸田建設が11位以下から上位10位以内にランクインした。また、中山組、岩田地崎建設、大林組、飛島建設、砂子組、熊谷組が過去最高額を更新している。

 第1四半期で3年連続の首位となった中山組は、これまでの最高額となる215億8300万円を受注。民間建築で大型物件の仮称ルスツリゾートホテル新築を射止め、クリーンリバーフィネス南郷18丁目駅前Ⅱ新築も積み上げて同部門トップに立った。官庁土木では北海地区北海幹線用水路清真布川下流工区を落札した。

 2位となった岩田地崎建設は126億4900万円。民間建築で洞爺サンパレスクリスタル館建て替えを単独、ロイヤルパークスER函館駅前新築を共同体のメインで獲得。官庁土木では道央自動車道苫小牧中央インターチェンジを受注し、新桂沢ダム堤体建設第2期を共同体のサブとして積み上げた。

 大林組は、前年度同期に比べ7倍以上の受注となる106億6700万円で前年度同期の53位から3位へと大幅にランクアップ。民間建築の大同生命札幌ビル再開発プロジェクトを計上したのが大きな要因。

 4位の飛島建設は100億2300万円で、前年度同期の169位から大きくアップ。北海道新幹線立岩トンネル豊津ほかと北海道新幹線札樽トンネル富丘を相次いで共同体のメインで落札して官庁土木の首位に立ち、民間建築でも仮称レーベン札幌東棟・西棟新築を獲得した。

 岩倉建設は76億9100万円の受注で5位に。北海道新幹線札樽トンネル石倉ほかやウトナイ中校舎新築主体を共同体のサブで請け負った。

 6位の宮坂建設工業の受注額は71億7000万円。民間建築で帯広市内のスーパーホテルを射止めたほか、北海地区北海幹線用水路巌島橋下流工区と恵庭北島地区西6線幹線排水路穂栄西工区を単独で落札した。

 砂子組は65億8400万円の受注額で、前年度同期と同じ7位。民間建築で38億円余りを請け負い、官庁土木でも26億円受注している。

 8位は64億6100万円の鹿島。新桂沢ダム堤体建設第2期を共同体のメインで上乗せし、民間のデータセンター工事も単独で請け負った。

 熊谷組は63億300万円で9位。北海道放送の本社社屋建設を受注して、大きくランクアップした。10位の戸田建設は60億1200万円の受注。香港資本のスーパーオクサンが札幌・定山渓温泉に建てる高級旅館や札幌大谷大の新校舎建設が主なところ。

 11位以下を見ると、川田工業が前年度同期の22位から11位、三井住友建設が61位から15位、日本道路が80位から26位にアップ。道内企業では32位の中井聖建設、36位の近藤工業、37位の内池建設、38位の盛興建設など10社が前年度同期の51位以下から上昇している。50位以内の道内企業は前年度同期に比べ1社減の36社。

 ■再開発など民間建築伸びる

 分野ごとの上位5社は、官庁土木が①飛島建設②中山組③岩倉建設④鹿島⑤NIPPO、民間土木が①清水建設②NIPPO③日本道路④道路工業⑤大林道路、官庁建築が①川田工業②岩倉建設③菱中建設④丸彦渡辺建設⑤盛興建設、民間建築が①中山組②大林組③岩田地崎建設④熊谷組⑤戸田建設となっている。

 50社の受注総額は2092億1286万3000円で、前年度同期比18.9%の大幅な増加。インバウンドの増加に伴うホテルなどへの投資や再開発が旺盛で、民間建築は前年度同期に比べ5割以上も増えている。官庁土木も北海道新幹線のトンネルなどで微増となったが、民間土木と官庁建築は前年度割れ。

 07年度以降、これまでの最高額を記録した14年度同期に比べても13.1%増加。総額の内訳は、官庁が3.4%減の827億2967万6000円、民間が40%増の1264億8318万7000円となっている。

 土木の合計は0.4%減の853億4371万7000円。内訳は官庁が2.2%増の716億8645万1000円、民間が12.1%減の136億5726万6000円となっている。

 建築の合計は民間の伸びに支えられて37.2%増の1238億6914万6000円で、官庁が28.6%減の110億4322万5000円、民間が50.9%増の1128億2592万1000円という内訳。

 回答を寄せた51位以下を含む1社当たりの平均受注額は前年度同期を11.4%上回り、12億円台に乗せた。

 2018年8月11日付けの北海道建設新聞紙面では、2018年度(4-6月末)のゼネコン受注高ランキングを、個別金額含めた表などで掲載しています。

関連キーワード: ゼネコン道内受注高

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