北菓楼札幌本館がBELCA賞 未来志向の改修が評価

2018年08月16日 07時00分

 ロングライフビル推進協会(本部・東京)の第27回BELCA賞に、道内から北菓楼札幌本館がベストリフォーム部門で選ばれた。本道初の図書館として1926年に完成した建物を菓子メーカーのホリホールディングスが取得し、店舗とカフェにリニューアルしたプロジェクト。竹中工務店が改修を手掛け、価値ある部分のみを保存する未来志向の再生方針に基づき、街並みの保存と新機能の受容を両立する模範的な建物に生まれ変わった。

竹中工務店が手掛けた北菓楼札幌本館

 道内から唯一選ばれた北菓楼札幌本館は、道立文書館別館をホリホールディングスが13年に取得し、路面店として再生させた。本道初の図書館として完成したが、美術館やオフィスなど用途が変遷。内部のデザインが大幅に改修されていたなどの理由から、重要文化財や登録有形文化財の指定を受けていなかった。

 文化財の未指定が奏功し、計画の自由度が高く、新しい用途にも柔軟に対応できる部分解体と増築ができたという。

 プロジェクトの方針は、道や札幌市とも協議して決めた。菓子店舗に転用することで、市民や観光客に本道の食文化をアピール。未来志向の再生方針を掲げ、街の風景となっている外壁2面のほか、大正時代のオリジナルデザインが残る玄関ホールを積極的に保存することにした。

 建物は、タイル目地の補修や断熱補強のための内装改修などで、完成時の魅力が失われていたという。外観は古いタイルの再利用を試み、独特の風合いを損なうことなく補修した。

 安全性や長寿命化に関わる建物の強度は、建物形状の実測とコア抜きによって確認。築後90年が経過したにもかかわらず良好な状態であることが分かり、壁内部に鉄筋を挿入し固定することでレンガ壁を補強した。

 BELCA賞はビルのロングライフ化に寄与することを目的に、長期間にわたって適切な維持保全をしたり、優れた改修を施した既存建築のうち、特に優秀な物件を選び関係者を表彰する。

 今後、相当の期間にわたり維持保全されることが計画されている建物に与えられる「ロングライフ部門」と、社会的な状況変化などに対応して長期使用のビジョンを持って建物をリフォームした「ベストリフォーム部門」から成る。

 第27回はロングライフ部門4件とベストリフォーム部門6件を選定。このうちロングライフ部門は群馬県の群馬会館と大阪市内に立つ通天閣、横浜市のホテルニューグランド本館、東京都町田市の市立国際版画美術館が受賞した。


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