北見市 高等技専生へ助成を検討、存続も後押し

2018年08月21日 07時00分

 北見市は、道立北見高等技術専門学院の入校者を対象とした訓練経費の助成制度を検討している。助成対象となる費用は、教科書や私物工具、実習服などの個別経費とする見通しで、助成額や助成対象者の範囲などについては検討中。2019年4月からの助成を目指しており、地元からは助成制度を期待する声が上がっている。ものづくりの人材を養成する高等技専の存続も後押しする格好だ。

■存続後押し、企業から期待の声

 同高等技専の入校者数減少が進んでいることを背景に、地域の技術者養成を促進したい考え。17年9月の第3回定例会代表質問では、辻直孝市長が同高等技専について「管内のものづくり産業の中核機関」との認識を示し、「就資金貸し付けなど、効果の高い支援を検討する」と話していた。

 同学院は電気工学科、自動車整備科、造形デザイン科、建築技術科、電子機械科の5つの訓練科で構成しており、年間授業料は18万4800円。現在は、5科とも授業料を含んで2年間で計50万円以上の経費が必要とされている。

 市では、他自治体の職業訓練校入校者に対する支援制度なども調査し、制度内容の検討を進めている。入校試験が始まる11月ごろまでに内容を固めたい考えだ。

 同高等技専の担当者は、今回の検討について「経済的な事情を抱える入校者も多く、地元として誰もが入学しやすい環境を整えてくれるのなら心強い」と歓迎する。

 修了生の採用実績がある大幸建設(本社・北見)の人事担当者も「人手不足の中で、このような支援制度ができるのは良いこと。ぜひ進めてもらいたい。北見高等技専の存在感を高めることにもなるのでは」と期待している。

 一方、道内には分校を含め9校の高等技専があるが、室蘭市が17年度から室蘭高等技専(精密機械科、金属加工科)への入校生を対象にものづくり人材育成給付金の支給を始めた。修了後に地元企業で働くことを条件に1年目は10万円、2年目は5万円を受給し、学費や教科書代、被服費に充てられる。

 高等技専を巡っては、入校生の減少が続くものの地元企業の需要は高く、存続問題が焦点となっている。道は入校促進に向けて年度内に今後の高等技専の運営方針を策定し、地域との連携強化を図る考えだ。道経済部の担当者は「自治体による給付金制度を入校促進の手段の一つとして、ほかの地域でも参考にしてほしい」と話している。


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