函館港若松地区のクルーズ船岸壁が10月から暫定供用されることを受け、工藤寿樹市長は24日の定例記者会見で「将来的には後背地やターミナルの整備が必要になる。客船専用ふ頭にふさわしい整備を進め、受け入れ体制を整える」と述べた。港町ふ頭では17万㌧級が接岸できるよう年度内に係留設備を増強する方針を伝えた。
若松地区では函館開建が岸壁360mを整備中。9月末にも桟橋部175m、東ドルフィン50mが完成し、4万㌧級までの船舶を受け入れる環境が整う。10月2日に寄港する、にっぽん丸(2万2472㌧)が初めての接岸になる見通し。
工藤市長は「客船誘致で大きなメリット」とし、浚渫などを経て11万㌧級が入港できるようになる頃には、ターミナルの整備が必要と示唆。周辺はJR北海道が所有しているが、「できれば市が購入などして整備したい」と述べた。
2019年には17万㌧級の客船が複数回、港町ふ頭に入港する見通し。ただ、現状は最大12万㌧級の対応のため、係船柱の直柱を2基新設し、係留能力を高める。9月3日開会の定例市議会に工事費3000万円を盛り込んだ港湾事業特別会計補正予算案を提出する。
将来は港町、若松、西で大中小3隻が接岸できるようになる。工藤市長は「来年は50隻前後、20年度にも50隻を超えるだろう。(目標に掲げる)70隻も近々に実現できそう」と大きな経済効果に期待を寄せた。