道企業局は、清水沢発電所改修事業のうち清水沢ダム改修の発注を2019年度に延期する。この工事は仮設物施工に時間を要するため、前回入札が不調に終わったことから、今後再公告しても非出水期の施工が困難になった。同局では、19―21年度の3カ年で施工する予定に変更する。
清水沢発電所は、北海道炭礦汽船が炭鉱の自家用発電施設として1940(昭和15)年に夕張市内に建設した。炭鉱が閉山したことから利用目的がなくなり、94年に道に譲渡され道営発電所として使用している。同発電所に水を供給する清水沢ダムは、重力式コンクリートダムで、堤体積は1万6000m³、総貯水量は557万6000m³の規模となっている。
同局では、各施設の老朽化に対応するため14年度から改修事業を実施。新発電所建設やダム改修、取水口と新発電所をつなぐ水圧鉄管新設、屋外変電所建設などを進める。
17年度は、発電所基礎土木工事と清水沢ダム付近にある取水口改修、発電所水車発電機製作据え付け、既存発電所除却を4カ年債務により発注した。18年度は新たに発電所建屋、水圧鉄管新設、清水沢ダム改修の3件合わせて、3カ年で限度額21億円の債務負担行為を設定。このうちダム改修の工事費は約9億円を見込んでいる。
ダム改修は堤体表面を補修するもの。表面を部分的に削って、新たなコンクリートを打設する。打設量は約1500m³を予定している。施工は10門ある越流部を順次、仮締め切りしながら進める。関連して、減勢工下流取り壊しや土砂吐き閉塞(へいそく)なども行う。
ダム改修の入札は7月に執行したが不調となった。工事は非出水期である10月―翌3月の冬期間に進める必要があるが、仮締め切りゲートの製作・設置に時間がかかるほか、堤体下に整備する作業用道路などの準備工も必要で、18年度中にあらためて入札執行しても同年度の施工量は限定的となる。そのため、18―20年度施工の当初計画を1年先送りして、19―21年度で実施していくことに方針転換する。
水圧鉄管新設は9月に、発電所建屋は10月にそれぞれ入札する予定だ。清水沢発電所改修事業の全体完了は21年度を計画している。