道開発予算要求8000億円超 農業整備と新千歳空港重点化

2018年08月30日 07時00分

 国土交通省北海道局は29日、2019年度北海道開発予算の概算要求を公表した。一般公共事業費に当たる開発事業費は国費で前年度当初比19.8%増の6527億円、事業費で21%増の8028億円を要求。「食と観光」に軸足を置き、農業農村整備や新千歳空港の受け入れ拡大を重点化。優先課題推進枠には1390億円を計上し、道路整備や治山・治水、農林水産基盤整備、交付金事業などに上積みした。(関連記事4、5面に)

■19年度事業費で21%増計上

 「食料供給基地としての持続的発展」「『観光先進国』実現をリードする世界水準の観光地の形成」「強靱な国土づくりと安全・安心な社会基盤の形成」の3項目を重点事項に設定。アイヌ施策推進や北方領土隣接地域振興対策にも力を注ぐ。

 道路は、道路整備と道路環境整備合わせて19.2%を増額し、人流・物流の拡大、地域拠点連携、災害時の代替ルート確保に向けた高規格幹線道路などの整備を推進。深川留萌自動車道留萌大和田―留萌間(4㌔)と国道44号根室道路恩根沼―根室間(7㌔)については19年度完成を目指して重点的に予算措置するほか、倶知安余市道路など観光客入り込みに資する道路整備も進める。

 治水は、気候変動により激甚化・多様化する自然災害防止に向け石狩川、十勝川、天塩川などで河川改修を推進している。石狩川流域では千歳川遊水地群の19年度完了を目指すほか、直轄ダムは幾春別川総合開発新桂沢ダムと沙流川総合開発平取ダム建設、雨竜川ダム再生事業の調査費など前年度当初比7%増の約210億円を求めている。

 農業農村整備は、食料供給基地としての発展に向けた省力化、収益力向上を図るため22.7%の増額を要求。農地の大区画化、排水改良など効率化のほか、水利施設の保全・更新に力を入れる。

 港湾は国内物流強化の観点から苫小牧港の複合一貫輸送ターミナル化、国際物流では釧路、石狩湾新港の外郭・水域施設整備を推進。水産基盤整備は水産物の輸出促進、高付加価値化に向けて各地の漁港で屋根付き岸壁や清浄海水導入施設整備を図る。

 空港は、新千歳空港の国際線ターミナルと駐機エプロン拡張、誘導路新設といった受け入れ機能拡大と混雑緩和対策の19年度完了を目指す。

 アイヌ施策は文部科学省などと進める民族共生象徴空間が中心。開発局が担うハード整備は33億9200万円で民族共生公園、慰霊施設建設に取り組む。


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