2018年度前期のブロック建築3級技能検定で、札幌工科専門学校造園緑地科2年の関口翔太さん(19歳)と中沢隼也さん(同)が専門学校生として道内で初めて合格した。専門分野ではない職種だが、ひたむきな努力が実った。
造園の道に進むことを決めている2人。庭造りでもコンクリートブロックの構造物を使用する場面があり、社会に出て仕事をする上で糧になると考え、受検を決めた。
ものづくりマイスターの派遣制度を活用し、道立高等技術専門学院でブロック建築の指導員などを務めた、北海道メーソンリー工事業協会の秋田谷三雄専務理事に指導を依頼。6、7月の土日を使い、基礎から集中的に学んだ。「食事中もブロックにモルタルを載せるときの、こての使い方を考えていた」という。
2人を見守った造園緑地科の岩瀬聡科長は「あらゆる業界で分業化が進む中、いろいろな技能を持つことで職域が広がる。庭を造るときの想像力も豊かになるだろう」と期待する。
実家が帯広で造園会社を営み、その4代目と期待される関口さん。「祖父や父という目標を越えたい。そのためにも、持っている造園技能士3級のさらに上を目指す」と引き締まった表情で。
ガーデニングを楽しむ両親の姿が同校への進学を後押ししたという中沢さんは「公園の設計が最終目標。いろいろな技術を身に付け、多くの人が楽しめる公園を造りたい」と見据える。
技能者の高齢化や入職者の減少に迫られている建設業で、夢を持って着実に歩む若者がいる。