北海道電力は19日、北海道胆振東部地震の影響で停止した苫東厚真火力発電所3基のうち、1号機が同日午前9時に復旧したと発表した。電力の上積みにより震災前のピーク需要を上回ったため、他の発電所でトラブルによる停止がなければ、道内の電力供給は安定化する。
同社は18日午前、同日夕方にも1号機を再稼働させると発表したが、「ボイラ内で蒸気を作るのに必要な水質の改善に時間がかかった」として先送りしていた。
13日ぶりに1号機が復旧したことで、震災前のピーク需要384万㌔㍗を上回る391万㌔㍗の供給力となった。緊急時の本州からの送電分40万㌔㍗も含めると431万㌔㍗となり、電力の余力は確保できる見通し。
このため、需要減1割確保に向けた「できる限りの節電」の必要はなくなった。
苫東厚真火力発電所で地震によって停止中の残り2基については、2号機が10月中旬以降、4号機が11月以降の復旧見通しとなっている。
これに関連し、菅義偉官房長官は19日午前の記者会見で「北海道電力には安全確保を大前提に、早期復旧に向けて取り組んでもらうことを期待したい」と述べた。