札幌市中央区の創成川東で数々の大規模再開発事業に携わっている大京(本社・東京)。9月に入りJR新苗穂駅北口再開発のメインであるタワーマンションに着工した。北海道新幹線札幌駅ホームに近い、札幌総合卸センターの一帯を開発する北6東3丁目周辺地区計画も推進。プランニングの行方が注目されている。帯広をはじめ地方都市の開発にも興味を示しているという、開発事業本部副本部長を務める藤平善久常務執行役に聞いた。(経済産業部・武山 勝宣)
■札幌駅の求心力に乗る 地方は帯広、函館、旭川など注視
―北6東3丁目周辺地区計画の状況は。
札幌駅周辺の再開発につながる案件だと認識している。ここ10年で駅自体の求心力は高まり、中央区の創成川東では人口も増えてきた。その流れに乗った開発を中心的にやっている。
都市計画審議会で地区計画決定の承認を得て、共同住宅やホテルなど全体の開発プランをことし1年かけて具体化する。2019年度に地区整備計画を審議会に諮らなければいけないので、着工までには今から2年を要することになるだろう。
―帯広西3・9周辺再開発で分譲マンション事業に参画する。地方都市での動きは。
帯広以外に函館、旭川、小樽をマーケットとして注視している。ただ、開発には限定したエリアの中で商業施設との一体という条件はつくと思う。単純にマンションだけの開発だと、今の工事費では難しい。直近で帯広にマンションの供給が全くなかったのは、こうした理由によりマーケットに見合わなかったのが理由の一つだ。
今後、地方では札幌のプロジェクトと同じような販売計画になると思う。案件があれば同時並行で進めたい。
―道内の市場動向と今後の展開を。
全体マーケットの需給バランスでいえば、環境としては良好である。それでいて、求心力の高い物件が続けて供給できている。販売価格帯でいえば、4000万―5000万円が上限ではないか。5000万円を超えた平均価格の開発は、かなりリスクがある。
弊社のブランド形成が大きな強みだと思っている。札幌や道内地方都市の一等地でピンポイントに展開したい。