周波数は78・7MHz―。早水組(本社・網走)の子会社である「LIA」は、2019年1月にもコミュニティーFM放送局「FMあばしり」を開局する。日常的な地域の情報や災害時の情報を発信する予定で、準備を進めている。
早水組は1日で創業70周年を迎えた。地域に恩返しがしたいという思いと、地域住民からラジオがほしいという声があったことから開局を決めた。オホーツク管内では08年に開局した「FMオホーツク」に続いて2番目の開局となる。
LIAは「Life Is Abashiri」の略。網走での人生と生活を日々楽しく過ごせるようにとの思いが込められている。
6月に総務省に無線局申請書を提出し、8月に予備免許を取得した。スタジオは網走市内の同社潮見事務所内に置き、オホーツク流氷館にアンテナを設置して専用線をつないで放送する。
放送エリアは市内の1万7889世帯で99.2%をカバーする。大空・小清水町の一部地域でも聴くことができ、放送時間は平日の午前7時から午後7時まで。パーソナリティーは早水組の斎藤昌基次長と平田真悟さん、森田琴乃さんが務める。天気予報や音楽、イベント情報、災害情報などを発信する。
6月未明に道内を襲った地震の影響で網走地区では停電が発生。早水誠社長は「今まで聴く側だった。震災の情報を聴いてあらためてラジオの重要性を知った。やるからにはどんな状況でも放送できる体制をつくっていく」と話し、自家発電設備を備えて有事の際に情報発信ができるように環境を整える考えだ。
施設内にはスタジオのほかに自社直営でカフェをオープンして軽食やソフトドリンクなどを提供する予定。カフェからはスタジオを視聴することができ、地域住民との交流の場ともなる。カフェのオープン日は未定となっている。
パーソナリティーを務める斎藤次長は「市民に喜ばれる情報を発信し、また災害時には安心して暮らせる情報を発信したい」、平田さんは「先日の災害でラジオの重要性を再認識した。災害だけでなく、日常の放送で楽しめる内容を考えていきたい」、森田さんは「若い人たちにラジオを聴いてもらえるように若者向けの番組を作りたい」とそれぞれの開局への思いを語っている。