室蘭建設業協会(中田孔幸会長)は19日、苫小牧工高建築科1年生に苫小牧市内の建築工事を紹介する現場見学会を開いた。生徒たちは学校の新築や増築を間近で見て大規模建築の迫力を体感し、建築の仕事について理解を深めた。
若年者が建築へ関心を持ち入職促進につなげようと毎年開いており、今回は男子32人、女子6人の計38人が参加。室蘭建協建築委員会から6人と道建協の今城昇労務課長が案内し、市都市建設部と苫小牧建協(宮崎英樹会長)も協力した。
学校から出発する前に廉沢映治建築委員長は「見学を機に建物を造る楽しさを知ってほしい」とあいさつ。6日の北海道胆振東部地震では市内にも被害を及ぼしたため「今回見学する施設は避難所にもなる。建設業の役割を肌で感じて」と伝えた。
生徒たちが最初に訪れたのは、ウトナイ中の新築主体現場。校舎を菱中建設・岩倉建設・秋村組・大坪建設共同体が、屋内運動場を岩倉建設・青地建設工業・大滝組共同体がそれぞれ施工している。生徒たちは各所長から工事の説明を聞きながらクレーン作業や型枠の組み立てなどを見て、工事には迫力と緻密な作業が詰まっていることを学び取っていた。
質疑応答の時間では生徒が活発に質問。「思い出に残っている工事は」という問いに現場経験40年のベテラン社員が「リサイクルプラザの建設で、みんなと打ち合わせをしながら楽しく立派に造り上げることができた」と答えるなど、現場担当者は全ての質問に対し丁寧に回答していた。
このほか、北光小校舎大規模改造主体の現場と、完成したばかりの沼ノ端交流センターも見学。最後は苫小牧建協の会議室で座談会を開き、市建築課の若手技師による講演や意見交換会が行われた。