おとなの養生訓

おとなの養生訓 第144回「一生の趣味」 人生をより豊かにする

2018年09月28日 07時00分

 子供のころに夢中になったものは、誰にでも一つや二つ必ずありますよね。たとえば、スポーツ。野球やサッカーなど、毎日、日が暮れるまでボールを追いかけていました。その頃は、純粋にプロ選手になりたいとか、考えていたりしました。もちろん大半は夢を果たせずにいるのですが、かといって、野球やサッカーが嫌いになるわけではありません。休日に試合を楽しんだり、プロの試合を観戦したり、雑誌、新聞の関係記事を楽しんだり。結構、日々の生活の中で相当な時間を費やしています。もちろん、何の苦も無く…。こういうのを一生の趣味というのでしょう。スポーツ以外にも、音楽、絵画、読書など、子供のころから好きで、ずっと続けて楽しんでいるという人がたくさんいます。

 一生の趣味には、単なる気分転換以上の意味があります。その人の人生の思い出がすべて詰め込まれていることです。中学生の頃はどうだったとか、誕生日の日に試合に勝ったとか、趣味の出来事と人生の結節点が重なり合って記憶されていることが多いからです。

 私も、昔作り上げた鉄道模型を眺めていると、その頃の様々なことが次々と思い出されます。このことは、自分を振り返り、反省や先の行動の糧とすることができ、とても有益なことだと思います。

 こうお話しすると、「一生の趣味なんて持ってない」「すでに年を経ているから遅い…」とお思いの方もおられると思います。でも、遅くはありません。子供の頃、学生の頃、何に夢中だったか、思い出せばいいのです。

 今は、とてもいい世の中で、思い出したこと、スポーツ、趣味などに関することを、インターネットですぐに調べることができます。趣味の物で昔売られていた物も、ネットオークションなどで、すぐに見つかるのです。そんな懐かしいものをインターネットで見つけると、懐かしさが胸に満ちてきます。つい、購入なんてことも…。散財には注意しましょう。

 こうして昔の趣味が再開できれば、これはもう一生の趣味です。そこから先の人生は、より豊かなものになるでしょう。趣味を充実させることで、仕事にも目標や、やりがいが出てきます。私は鉄道模型が一生の趣味ですが、この趣味に何度助けられたかわかりません。一生の趣味は一生の友でもあります。

(札医大医学部教授・當瀬規嗣)


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