川崎建設(本社・京極)は9月27日、自社の機材センターで、開発を進めている下水道管路検査ロボットの管路内での動きをテストする実験を行った。下水道管に見立てた段差やカーブがある透明なアクリル管内を前進する動きを見て、川崎宏社長は「欲しかった性能が確認できた」と手応えを感じていた。
同社が特許を持つ農業用暗渠管を洗浄する「クリーンロボ・きょうごく」は、医療で使う内視鏡のようにカメラ付き先端部が水の噴射で自在に動き回る。この装置をベースに下水道管の点検に応用する開発を進めている。

一定の成果を得て「よりスムーズに進むようにしたい」と話す川崎社長
口径200―400㍉、段差10―50cmまでの4段階、カーブは90度曲がりで用意し、実際の下水道管と同じ形状を数十通りしつらえ、ロボットの動きを確認した。ほとんどの障害は数十秒でクリア。推進力となる水の噴射口を従来の後方だけではなく、側方に取り付けた効果が現れた。
現在の工法では車輪付きのカメラをマンホールから入れて撮影しているが、移動距離はおよそ40m先まで。出し入れに時間がかかるのが課題となっている。
共同開発している北海道立総合研究機構工業試験場(道工試)情報システム部の多田達実研究主幹は、よりスムーズに進むために先端部の首振り角度を電気制御し、「一気に200m撮影できるようにしたい」と話す。
早くから装置に着目していた玉野総合コンサルタント(名古屋)上下水道部の源田吉則部長は、テストの状態を動画に収め、データを収集していた。(小樽)