日高幌内川で緊急砂防 開発局が胆振東部地震被災対策着工

2018年10月03日 07時00分

 北海道開発局は、厚真町内の厚真川水系日高幌内川で発生した大規模な山地崩壊による河道閉塞(へいそく)に対処するため、緊急の砂防工事に着手する。河道1・1㌔にわたり大量の土砂がふさいでいることから、仮水路を整備して上流のたん水を防ぐ考え。倒木処理や地質調査などを進め、水路の整備方法を固める。

■堆積土の上に仮水路

 北海道胆振東部地震では、道が管理する厚真川支流で山地崩壊による大規模な土砂流入が発生。日高幌内川は右岸側の尾根幅約400mが500m下方に崩壊し、崩壊部の上下流約1100mの河道が土砂や倒木により埋没している。

 堆積土は高さ50m、500万m³と推定されており、道は単独での復旧は困難と判断。9月25日、高橋はるみ知事が石井啓一国土交通相に対し、直轄砂防事業による工事の実施を申し入れており、砂防災害関連緊急事業として2日に着手した。

 開発局は既に、上流側のたん水状況をモニタリング。閉塞部上流にたまった水を下流に逃がす水路を堆積土の上に整備する方針で、まず崩土や地山の地質調査、倒木除去を進める。

 土水路では越流で浸食される恐れもあるため簡易な装甲手法も検討。開発局河川工事課は「今回の事業は緊急対策で年度内に終わらせる必要がある。砂防堰堤など恒久的な対策も考えなくてはならない」と話す。

 室蘭開建は苫小牧河川事務所内に厚真川水系土砂災害復旧事業所を2日付で設置。建設業者と緊急随契を結び、復旧工事を進める見通しだ。

 道は厚真川支流の東和川、チケッペ川、チカエップ川についても直轄での整備を要望。国交省砂防部では「補正予算の動向を踏まえつつ検討していく」と話している。


関連キーワード: 河川 災害・防災 胆振東部地震

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