国立研究開発法人建築研究所などは2日、北海道胆振東部地震による建築物の被害調査結果を公表した。倒壊や大きな変形が生じた木造建築物は、比較的古い2階建ての店舗併用住宅に多かった一方で、専用住宅や平屋の建築物の多くは、無被害や軽微な被害にとどまっていた。
国土交通省住宅局の要請を受け、地震被害の全体像を把握するために国交省国土技術政策総合研究所、北海道立総合研究機構建築研究本部と共同で、むかわ、厚真、安平の3町を対象に現地調査をした。
建築物の倒壊は、震度6強だった、むかわ町役場付近の比較的古い店舗併用住宅に集中。倒壊を免れた店舗併用住宅でも大きな残留変形が残るなど、被害が目立った。しかし、木造住宅やRC造の町役場庁舎からは、大きな被害は確認されなかった。
震度7を記録した厚真町鹿沼の地震計は、大規模な地割れが発生した地点にあった。地割れの延長線上に建つ学校施設は大きな被害を受けたが、周囲にある平屋の木造建築物は、無被害か軽微な被害にとどまっている。
震度6強を記録した厚真町京町の町役場庁舎付近では、建築物の被害は確認されなかった。
安平町早来大町の市街地では、外壁を組積造とし、床組、小屋組を木造とした比較的古い建築物が甚大な被害を受けていた。外壁脱落などの店舗併用住宅はあったが、専用住宅の被害は軽微だった。
安平町安平と追分の市街地では、古い建築物の外壁が脱落していたものの、被害を受けた建築物の数や被害の程度は小さい。
また、建築物の倒壊パターンは、ほとんどが1階の層崩壊だった。