「都市力」は京都市が全国1位―。不動産大手の森ビル(東京)系シンクタンク「都市戦略研究所」は3日、暮らしやすさや経済力などで採点した「都市特性評価」ランキングを初公表した。東京都を除く地方の主要72市の比較では、歴史・文化遺産といった観光資源に恵まれた京都市が最も評価された。道内からは、札幌市が7位に入った。
ランキングは統計や住民アンケートを基に「経済・ビジネス」「交通・アクセス」「環境」「生活・居住」「文化・交流」「研究・開発」の6分野、計83の指標で採点してまとめた。
京都市は文化面のほか、大学教育が充実していることも総合点を押し上げた。特区の認定地域数が多いなど、経済活動の活発さが評価された福岡市が2位。3位は大阪市で、犯罪件数の多さがネックになったものの、消費や投資などの総支出額、交通の便の良さが全国トップクラスだった。
4位の名古屋市は世界シェアの高い企業が多く、5位は横浜。6位の神戸市は観光客の誘致に積極的な点が評価された。ホテルなど観光施設が充実している札幌市は7位、大学の研究論文数が多い仙台市は8位だった。
大都市が順当にランキング上位を占める一方、科学技術分野などの研究施設が集まる茨城県つくば市の9位をはじめ、県庁所在市以外も上位に食い込んだ。10位の浜松市は、日照時間の長さや電気自動車用充電スタンドの多さが環境分野での高い評価につながった。
このほか、景観を生かした街づくりに熱心な金沢市が11位。平均寿命が長いなど生活環境の良さから、長野県松本市が13位、長野市は17位に入った。
これとは別に、東京23区のランキングでは、大手町や丸の内といった日本屈指のビジネス街を抱え、経済規模が大きい千代田区がトップだった。
調査した都市戦略研究所は「順位を競うのではなく、それぞれが強みと弱みを知って『都市力』をアップする参考にしてほしい」と話している。