秋元克広札幌市長は11日の定例記者会見で、北海道胆振東部地震から1カ月を振り返り、対応検証から災害に強いまちづくりに取り組む姿勢を強調した。被害の残る清田区里塚地区は、来週2回目の住民説明会を開き、市長自身が復興のプロセスを説明する考えを示した。
秋元市長は「避難所運営や観光客、停電への対応、被害状況収集や情報提供など多くの課題が見えてきた」と説明。課題の洗い出しや市民アンケートの上で、有識者の助言を得て改善に取り組むと表明した。
対応できるものは順次取り組み、年度内の防災会議に報告。地域防災計画や強靱(きょうじん)化計画、災害対策本部運営体制の見直しに反映する。
道路、公園、宅地の広い範囲で沈下した地盤が流れ出し、被害が残る里塚地区は「原因究明の上、宅地を含め一体的な復旧を図る」と説明。
「二度と起こらないための対策が必要」と述べ、調査解析と工法検討を急ぐ一方、降雪時期までに陥没部の埋め戻しなど応急復旧を進めるとした。
被災建物や宅地は個人財産のため、「工法や費用負担について住民合意の上で進めねばならない」と指摘。合意形成を含め本復旧着手には時間が必要との認識も示した。
来週開く里塚の住民説明会では、こうした復興に必要な工程で「直接、住民の声を聞きたい」と語った。
一方、宅地被害が発生している美しが丘地区は、13日に住民説明することを明かした上で「建物被害が数十件出ている。何らかの支援策は必要」と言及。
市独自で検討している一部損壊住宅の支援策にでは「宅地という個人財産への支援をどこまで考えるのか、義援金配分や他都市の事例を見極めながら決めたい」と述べるにとどめた。