貨物引き込み線などで物流強靭化推進 苫小牧港の長期構想

2018年10月18日 15時00分

 官民の港湾関係者らでつくる苫小牧港長期構想検討委員会は、北海道胆振東部地震を踏まえ、物流の強靱(きょうじん)化推進などを盛り込む方針だ。具体的には北海道スマートポート、北海道フードポート、北海道レジリエンスポートの3項目を加える。

 16日、苫小牧市内のグランドホテルニュー王子で開いた4回目の会合で示した。

 長期構想は、同港が20―30年後に目指すべき姿を展望し、港湾の開発や利用、保全の基本的な方向性をまとめる。

 同港ではRORO船やフェリーが週に100便以上就航。取り扱い貨物量は16年連続で日本一となっている。

 国内物流の効率化を先導する「北海道スマートポート」は、AIなどの活用のほか、鉄道貨物の引き込み線を導入することで海上輸送との連携を図る。推進している西港区本港地区のROROターミナルの機能拡充と改良に続き、中央北ふ頭の水面貯木場跡地を岸壁に再生することなどを挙げ、西港区全体の混雑緩和やふ頭の再編を目指す。

 北海道の食を世界へ届ける「北海道フードポート」では、高品質な水産品を安定的に輸出するため、西港区汐見地区での屋根付き岸壁の整備や、冷凍設備など老朽化施設のリニューアルを図る。東港区浜厚真地区では官民連携による国際クルーズ拠点として、既存ストックを生かした大型クルーズ船が着岸可能な岸壁整備などを挙げた。

 道民・国民の命と暮らしを強くしなやかに守る「北海道レジリエンスポート」は、地震でバース不足が明らかになったことから、西港区でのフェリーバースや背後ヤードなどの耐震強化、液状化対策に取り組む。

 今後意見公募し、2019年3月に開く5回目の会合でまとめる予定だ。


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