中空知建設業連絡協議会は、技能実習生を受け入れるため、協議会として初めてベトナム視察を実施した。4社が参加したが、このうち2社4人の採用が決まり、来年から受け入れる予定だ。田端千裕会長(田端本堂カンパニー社長)は「この取り組みが人材不足解消の手段になればいい。地域のためになるよう努力したい」と話している。
ベトナム人技能実習生の受け入れに関しては、昨年、滝川建設協会(田端千裕会長)が初の試みとして、ベトナムを視察。会員から7社、会員外から2社の計9社でベトナムを訪れ、会員からは5社10人の採用が決まり、それぞれの企業でことしの春から働いている。
今回は、〝中空知〟という広域でベトナム人実習生の受け入れを考えようと、8月に研修会を開催。外国人技能実習生に関心のある企業から約20人が参加し、実習生制度について理解を深めた。
今月17―21日に実施したベトナム現地視察には、居林建設工業、田端本堂カンパニー、双葉建設産業、佐藤塗装店の4社が参加し、このうち田端本堂カンパニーと双葉建設産業がそれぞれ2人の採用を決めた。
現地では採用試験として、体力テストや簡単な土木作業、面接などを行い、最後には家族との面談も経て採用を決定。実習生はこれから約半年、現地の送り出し機関で日本語や日本の習慣、土木関係の知識を学び、来年春には北海道へ来て、受け入れ機関である北海道中小企業協同組合で1カ月ほど日本語などを勉強してから企業で働く。
田端本堂カンパニーは、昨年滝川建協がベトナムを訪問した際も同行し、2人の採用を決めた。ことしの春から同社のグループ企業で働き始めたが、「彼らは非常に真面目で、若い力が入ってくることで会社も活性化する」(田端会長)と高く評価している。
田端会長によると、最近ではインターネットを使用し、現地に訪問しなくてもベトナム人実習生を採用できるようなシステムも導入されたほか、滝川建協の視察で訪問した企業が今回は個別に現地訪問するなどしているという。
外国人技能実習生を巡っては、技能実習法により制度が見直され、実習期間が3年から5年に延長された。今後の受け入れに関しては流動的な部分も多く残しているが、建設業をはじめ、各業界で人手不足の問題が深刻になる中、外国人採用の動きは空知地域でも徐々に広がりを見せている。