本復旧への課題 胆振東部地震被災地から(下)

2018年10月26日 18時00分

防災体制構築や心構え 地域の守り手として迅速かつ円滑に

 日頃からの備え大切

 現場では一日も早く日常を取り戻そうと、多くの建設関連業者が緊急復旧に尽力している。過酷な作業でぎりぎりの対応が続くが、地域を守るという使命感で自らを奮い立たせる。その一方で人員や燃料の確保など万一の事態に備えた防災体制構築の課題も見えてきた。

 勝幸辰建設(本社・苫小牧)は地震が発生した9月6日、室蘭建管から24時間体制での作業要請を受け、技術者2人とオペレーター4人が重機2台で厚真町に急行した。

 菱中建設、栗林機工、丸博野沢組などは重機で、自衛隊らが救助に向かう桜丘―吉野地区間の道路啓開に当たった。道路に押し出された家屋などをバックホーで撤去し、車線を確保しながら進んだ。

 7日は勝幸辰建設、本多建設、中原建設などが厚真川幌内橋上流の河道に堆積した土砂の掘削、厚真川の築堤天端ひび割れのシート掛けに着手した。

 勝幸辰建設の担当者は「あんなにひどい現場は見たことがない。最初の3日間は本当に大変で、運転手がいなく燃料もない状態に苦しみ、防災体制はしっかりしなければならないと感じた」と、災害に対する備えを再認識した。今は「一日も早く安心して住めるようにしなければ」と復旧に意気込む。

 地元業者が応急復旧

 室蘭建設業協会は地震直後の6日早朝、災害対策協力本部で午前5時から中田孔幸会長が陣頭に立ち、官公庁からのバックホー要請などの対応に当たった。

 中田会長は「室蘭建管からは午前7時ごろ連絡があり、土砂崩れがすさまじく、啓開作業のため可能な限りバックホーを厚真方面へ回してほしいとの要請があった」と振り返る。

 会員が現地に向かったものの「現場は道路が狭く通行止めで立ち入ることができず、バックホーが戻らざるを得ない状態が数日続いた」と明かす。

 近隣の現場作業を止めて応援に駆け付けたバックホーなど道外からの支援を含めると、300台以上の重機が現地に集積したという。応急復旧は、初旬に一段落した。

本復旧に向けた意気込みを話す中田会長

 今後の本復旧を円滑に進めるため、中田会長は「地元建設業者がいま一度、災害復旧工事を担う心構えを持たなければいけない」と強調。加えて人手確保や資機材の調達を円滑に進めることが必要だと説く。

 今回の土砂崩れで山地の私有林が畑に流れ込んだ事例が多い。関係者と段取りを付けなければ工事に入れない箇所が点在するが、「準備さえ整えば、建設業者は粛々と工事を進める」と体制構築に余念がない。

 「今後の発注状況を見ないと分からないが、地元業者で完結できる工事、管外業者の力を借りて進める工事いずれも確実に遂行し、災害復旧予算の期限である3年間(延長を含め4年間)で完了させる」と言い切る。

 地域の守り手である建設業者として、住民の生活基盤や地域経済を支えるインフラ強化への決意を込める。


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