函館市西部地区の再整備を市民らと協働で考える「西部まちぐらし創造会議」が10月26日から始まった。第1回の2日間では45人が参加。9グループで魅力・価値を掘り起こし、空き家・空き地を店舗やイベント会場にする有効活用をはじめ、動線のにぎわい、学生寮の設置などプロジェクトを発表し合った。
市は、函館発祥の地である西部地区12町約400haを対象に、居住と観光が融合した良質な住宅地整備を計画している。本年度末までに基本方針を策定するに当たり、有識者や観光、不動産関係者らで構成する検討会に加え、今回の創造会議をそれぞれ3回開く。
創造会議の第1回は西部地区の魅力・価値を考えるグループワークを実施。5人一組に分かれ、普段感じていることを付箋に記入して空き地や景観、インフラ、観光、人口減少などに分類し、その課題を解決するプロジェクトを発表した。
この中で現存する建物や空き地をうまく活用する、暮らしや観光客の動線になる道路でのイベント、学校創設、町会誌創刊など地域の底上げや魅力づくりでUターンを図るといったハード・ソフト両面からのアプローチがあった。
具体的には空き家を若者が起業する場に活用、坂道をつなぐ横道のにぎわい創出、地熱利用型のロードヒーティング拡張、きれいな公衆トイレ設置、函館創生人材育成大学の創設、学生寮の設置など。若者を呼び込み、観光客含め多世代が交流できる地区になることを望んだ。
検討業務を受託するノーザンクロスの近藤洋介都市政策事業部長は「この会議が地域のプラットフォームになれば。横の連携で新たな発想や、身近でできることがあるのでは、という気付きにもつながる」と話す。
市は、下旬にも地区の将来像に関する中間案を示す見通し。その後、具体的な取り組み手法などを検討し、方針案をまとめる。(函館)