札幌工高コンクリート甲子園へ 入賞目指して3度目の挑戦

2018年11月03日 18時00分

 札幌工高が12月に香川県で開かれる「第12回コンクリート甲子園」に出場する。予選敗退に泣いた一昨年を含めて3度目の挑戦で、昨年に次ぐ出場。今回は北海道生コンクリート工業組合の強力サポートを受け、万全の構えだ。リーダーの大友翔琉(おおとも・かける)さんは「入賞目指して頑張りたい」と意気込んでいる。

 コンクリート甲子園は、コンクリート製作を通じて各種材料に触れ、土木技術者に求められる生コンの基礎的な感覚を身に付けてもらおうと、毎年開かれている競技大会。2003年に高知県で始まり、第6回大会から香川県で開かれるようになった。

■道生コン工組が技術指導

 札幌工高は昨年、デザイン部門で3位に入った。ことしは道生コン工組が技術面と資金面からサポート。強力な応援態勢で初の総合入賞を目指す。

 道生コン工組は技術指導や資材提供のほか、生徒らの旅費の一部を負担。「出場をバックアップすることで、生コン業界のイメージづくりにつながれば」と守島郁生専務理事は話す。将来的には旭川や苫小牧、帯広など他の工業高校も参加し、地域の生コン組合と学校がより緊密になることを期待している。

 大会は強度とプレゼンテーション、デザインの3部門から競う。強度部門は目標の圧縮強度を58とし、供試体3本の平均値が58に近いチームを3位まで表彰する。

 プレゼン部門は持ち時間5分間で、それぞれのコンクリート製作の過程や工夫を発表。デザイン部門は各チーム思い思いの「コンクリート甲子園イメージキャラクター」を自前の供試体にペイントする。

 札幌工高は、学校サークルである土木研究会のメンバーを中心に3年生4人、2年生3人で構成。3年生は進学や就職を控えていて、進路準備との二刀流で大会に挑んでいる。

入賞に向け真剣な表情で配合設計に挑む札幌工高の生徒

 10月16―17日に道工組の技術指導を受けた。講師は札幌生コンクリート協同組合の神本邦男技術委員長らと、北海道ティーシー生コン(本社・北斗)の札幌工場スタッフ8人。若手の米田弘樹試験主任を中心に、初日は座学で基礎知識を学んでもらい、2日は登竜門の配合設計を実習。生コンのスランプや空気量を測りながら、水セメント比と圧縮強度の関係性などを学んだ。

 和気あいあいの雰囲気で実習した。空気量測定で使うエアメーターの初圧点を合わせる際は「トラブルです。エアメーターの針が0を過ぎてしまいました」など、工場スタッフに助けを求める場面も。「スランプ試験のときは、台板を縦・横方向ともに水平器で整えないと駄目だよ」など指導を受けていた。

 札幌工高の川村茂教諭は「学校単独では機器や材料の確保に限界があるので、資金面と技術面からの支援は非常にありがたい」と説明。リーダーの大友さんは「指導していただいた感謝の気持ちを込めて本戦に挑み、上位入賞を目標にしたい」と笑顔で話していた。


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