著名な文化人らが集結し、シンポジウムや各種講座などを繰り広げるイベント「エンジン01」(エンジン01文化戦略会議主催)が、釧路市を舞台に3日間開かれた。初日の2日は釧路市民文化ホールで開会式やオープニングシンポジウムなどが行われ、高橋はるみ知事も加わって女性と社会の関わりなどについて議論した。
道内外から約1300人が訪れた開会式ではフリーアナウンサーの露木茂氏が司会を務め、勝間和代大会委員長、林真理子副委員長や地元実行委員会の蝦名大也会長(釧路市長)らを紹介した。
同会議幹事長でもある林氏は北海道胆振東部地震とその後の停電に触れ「こんなときだからこそぜひ来てほしいという釧路の方々の温かい言葉に支えられた」と感謝し、蝦名市長は「一分一秒を大切に、共に楽しむ3日間にしたい」とあいさつ。
勝間委員長が「釧路を『知る人ぞ知る』ではなく、トップレベルの観光地、生産地として有名にしたい」との言葉とともに開会宣言した。
オープニングシンポジウムでは、林氏を進行役に、同会議メンバーの奥谷礼子氏(CCCサポート&コンサルティング会長)、東村アキコ氏(漫画家)、高橋知事が「ハンサムウーマン 最強のオバハン」というテーマでトークを展開。
林氏が「出版界には男女差別がなく、実力があれば上に行ける」と切り出すと、東村氏も「漫画はアンケート至上主義。男女が対等に戦える」と応じ、高橋知事は「官僚は民間よりも差別がないと感じる」と答えた。
若者の価値観が変化してることについては、東村氏が「そこそこの給料で自分の時間や家庭を持てれば、と変わってきている。優秀な編集者が急に結婚退職するケースが増えた」と指摘。
奥谷氏は「日本全体でガッツのある人が少なくなった。頑張って何かを手に入れようという夢がない」と批判したが、高橋知事は「相変わらず上昇志向の人もいて、そうではない人たちも出てきたというのは価値観の多様化。世の中全体にとってはむしろいいこと」と肯定的に受け止めた。
最後に高橋知事は「素晴らしい自然環境、食、自然エネルギーという21世紀型資源を生かして北海道をレベルアップし、震災のピンチをチャンスに変えていきたい」と今後の抱負を述べた。
この後のオープニングコンサートには、地元ゲストとして大黒摩季さんやアイヌ民族の秋辺日出男さんも登場。クラシック、演歌、ポップス、ゴスペルなど多彩な内容で釧路の夜を盛り上げた。
3日は釧路公立大で多様な講師陣が市民向け文化講座と中高生向けの職業紹介講座を展開。4日は釧路市民文化ホールでクロージングシンポジウムを開き、3日間のイベントに幕を閉じた。