道建設部は14日、旭川市民文化会館で建設産業女性活躍推進セミナーを開いた。2017年度から取り組んでいるもので、今回は2回目。地元建設業の経営者や人事・労務担当者など約50人が参加し、性別や家族環境によって働き方や生き方の選択肢を狭めないようにするための方策を探った。
社会保険労務士・行政書士事務所のケンズプロ(本社・札幌)の新田和代社長が「女性が働きやすい建設産業のために」をテーマに講演。「女性が少数であることから女性人材のマネジメントに不慣れなほか、女性がいることが前提にない制度・環境・風土がまだあるのでは」と課題を指摘した。改善策としては、ロールモデルとなる女性従業員の育成・支援や、育児休暇による他の社員の負担軽減に向けた長時間労働対策などを提案した。

女性ならではの苦労について率直な意見を述べ合った
その後、14人の女性が働く橋本川島コーポレーション(本社・旭川)の大石重喜常務取締役総務部長が女性雇用に関する工夫を報告。女性を含む若手のキャリアアップに向けた役職の新設や、セクハラ撲滅に関する社長の宣言を定期的に周知するといった取り組みを紹介し、「経営者が継続して全社員に方針を伝えることが重要」と話した。
パネルディスカッションでは、子育てをしながら建設業で働く女性として伊藤組土建(本社・札幌)土木部工事課の佐々木裕子さんと、丸北三建工業(同)の野坂のぞみ営業部課長が登壇。道が女性の建設業従事者に実施した、職場の課題に関するアンケートを基に意見を述べ合った。
特に妊娠、出産、育児について、佐々木さんと野坂課長は、キャリア形成や向上心とのはざまでの葛藤や、会社と同僚に迷惑を掛けるのではという心配で悩みが大きいと指摘。「ハンディキャップと思わせず、安心して子どもを産み育てられる社風にすることが大切」「医師の診断書をもらったり、経験者が周囲につらさを伝えることも有効」と自身の経験から対応策を示していた。