岩見沢農高は15日、ことし5月に連携授業の協定を結んだ砂子組(本社・奈井江)との取り組み内容をまとめた生徒報告会を同高で開いた。農業土木工学科2年の開発土木専攻班のメンバー9人が、砂子組ら関係者に従来型とドローンを使った測量の違いなど、この半年で実施した研究の成果を披露した。
■半年の研究成果説明
砂子組と岩見沢農高はことし5月に連携授業に関する協定を結び、開発土木専攻班の生徒に月に2回、ICT活用などを教えた。授業では、同社社員のほか、ドローンやソフトウエア、建設機械の企業などから講師を招き、生徒たちが従来型の測量とドローンを使った測量の違いを研究した。
報告会に先立ちあいさつした砂子組の砂子邦弘社長は「卒業したら社会に出る人もいると思うが、IT化やICT、IoTは建設業だけのものではない。人工知能やロボットなどはいろいろなところで入ってくるので、今回の授業を心に留め次の段階へ向かってほしい」とエールを送った。
報告会には、授業に関わった関係企業、北海道開発局などから約30人が参加。生徒がICTを活用した測量を用いた場合について、①生産性が向上する②熟練者じゃなくても高度な施工ができる―と仮説を立て、実際に従来型の測量と、ドローンを使用した測量をグラウンドで実施し、測量の時間やデータを作る時間などを比較。その結果から導き出された、ICTを用いたほうが少ない人数で作業できる、時間は測量する場所が広いほど短縮される、誰でも高度な施工ができる―などの成果を説明した。
専攻班のメンバーは連携授業に関し「ICTへの関心が深まった。将来はICT関連の仕事に就いて頑張りたい」「3Kのイメージを変えるためのICTを学んだが、まだ普及していなかったりと環境整備はこれから。今後のICTの普及に期待したい」「普段学校で学べないことを学べて良い経験ができた」などの感想を述べていた。
授業で講師を務めた砂子組企画営業部の八戸政人主査は「自分はこの学校のOBだが、少しは恩返しできたかなと思う。まだまだやれるテーマはあるが、まずはチームでこうした研究ができて良かった。素晴らしいものができた」と振り返り、真坂紀至企画営業部長は「最初はうまくいくか不安だったが、先生たちと議論していくうちにうまくいくと思うようになった。次年度以降も地域のために人材を育てたいと思っている」と総括した。
岩見沢農高の松田直也農場長は「日頃から生徒には基礎、基本が大事と言っている。その上にこうした最新技術を使うことが将来の道筋になると思っている」と話し、今回の取り組みに対し感謝の意を伝えた。