滝川工高電子機械科の課題研究グループの一つで、生徒たちが学校で学んだ技術を生かし、「修理屋さん」として地域での修理ボランティアに励む取り組みが、ことしで3年目を迎えた。メンバーが代替わりしても地域に根差した活動は変わらず、全国のボランティア活動に取り組む青少年を表彰するボランティア・スピリット賞の北海道・東北ブロックコミュニティ賞を昨年に続き2回連続で受賞するなど、高い評価を受けている。
同校は、2003年から行政や市民の依頼を受け、物の製作や修理を実施する「テクノボランティア」を展開。この活動を基に、16年度に初代「修理屋さん」を発足させた。活動には課題研究という授業の一環として3年生が参加している。現在のメンバーは、柳町志帆さん、加藤諒さん、佐藤龍聖(たつき)さん、川田聖さん、松田洸琉さん、松坂直哉さんの6人。
ことし取り組んだ作業は、学校の玄関整備や停留所ベンチ修繕、灯油タンク塗装や網戸張り替え、ごみステーション修繕など多岐にわたった。依頼する人の多くは高齢者で、中には5、6回も依頼を出してくれる高齢の方もいたという。依頼以外にも話し相手になることが多く、メンバーの一人である松坂さんは、ボランティアには物の修繕以外にも、心のボランティアというものがあると気付いたそうで、「溶接の技術も、コミュニケーション能力も身に付けられたと思う」と活動を振り返った。
また、真夏の暑い中、テニスの審判台修理に取り組むなど、肉体的にハードな作業も多くあったが、メンバー全員、「大変だと思ったことはあまりない」と口をそろえる。
こうした活動が認められ、昨年に引き続き、ボランティア・スピリット賞の北海道・東北ブロックコミュニティ賞を受賞。代表して授賞式に参加した柳町さんは「他校の活動内容が分かったのが良かった」と感想を述べた。
初代から修理屋さんの活動を見守り続けてきた秋元利次教諭は、ことし初めて地域の小学生との交流のためにハロウィーンイベントを企画・実施したことに触れ、「昨年までやっていなかったことだったが、いろいろな準備をこつこつ取り組んでくれた」と現メンバーの地道な努力を評価。その上で「依頼を受けた際に、嫌がらず積極的にやるという姿勢は、初代から受け継がれていると感じる」と話した。
次の修理屋さんのメンバーは来年3月中旬にも決定する予定。柳町さんは後輩に対し、「純粋にものづくりに興味がある人にやってもらいたい」と期待を寄せている。