旭川開建が整備を進めてきた地域高規格道路旭川十勝道路の富良野道路北の峰IC―布部IC間が24日、開通した。北の峰トンネルなどの難工事を乗り越え、着工から12年余りの月日を経て完成。同日、富良野市内で関係者を集めた記念行事が開かれ、富良野道路が地域の観光、物流、医療などに果たす役割の大きさを確認するとともに、事業中の富良野北道路や未事業区間の整備促進にも期待を寄せた。
旭川十勝道路は旭川市を起点とし、富良野市を経由して占冠村に至る延長120㌔の地域高規格道路。このうち富良野道路は富良野市学田三区から上五区に至る8・3㌔区間として2002年度に事業化し、06年度に着工した。総事業費は437億円。観光シーズンの富良野市街地の混雑緩和や、移動時間短縮、農産物を中心とした物流の効率化といった効果が見込まれる。
区間内最大の作工物である北の峰トンネルは10年度に鹿島・三井住友建設・荒井建設共同体で着工。延長2928m、内空断面63・3mで、NATM工法で掘削した。
周辺の水資源環境の保全やトンネル内への地下水流入防止を目的としたウオータータイト構造を採用。突発的な湧水や切り羽剥落などにも見舞われる難工事だったが、16年7月に貫通した。
開通記念式で旭川十勝道路整備促進期成会の会長を務める北猛俊富良野市長は「北の峰トンネルの難工事を克服し開通を迎えたのは関係者の支援、協力のたまもの」とあいさつ。22日に旭川空港の国際線ターミナルビルが開業したことにも触れ「広域周遊観光の促進には高速ネットワーク機能の実現が不可欠」と強調し、早期の全線開通に向けた努力を誓った。
旭川開建の樺澤孝人部長は「北の峰ICから北側の中富良野までの事業中の区間(富良野北道路)の整備促進に加え、東神楽から中富良野間、布部ICから占冠村までの区間の早期の事業着手にも最大限努力する」との謝辞を述べた。