札幌市は、地下鉄南北線の真駒内駅耐震改修を30日、WTO対象の一般競争入札で公告する。過去3回の入札不調を受け、設計内容を見直し、市営地下鉄駅では初めてのWTO案件となった。来年1月下旬の契約を経て、年度内の着工を予定。工期は、2020年11月末までとしている。
過去の入札では、1回目、2回目が応札者なし。余裕期間制度のフレックス工期を採用した3回目で応札者があったが、価格が折り合わなかった。
当初、電気、機械、施工監理などを含めた総事業費に約20億円を試算していたが、実勢と設計金額に乖離(かいり)があるとの認識から、積算の見直しを実施。この結果、工事では22億9000万円以上が対象になるWTO案件となった。
南区真駒内17に位置する真駒内駅は、1階部分がRC造、2階と一部3階部分がS造で、延べ床面積は5890m²。1971年の南北線開業と同時に供用を開始した。
主な改修内容はこれまでと同様で、東側を除く1階のコンコースと2階のホーム部分、延べ3587m²が対象となる。
梁やブレースを新設し、既存柱の断面を厚くするほか、ALCパネルの外壁を鋼製パネルに変更、天井下地の耐震化、照明器具LED化、トイレ改修などを施す。
駅の耐震改修は営業しながらの施工となり、安全管理や夜間工事といった難しさがあることから、全国的に不人気。同局でも過去に発注した澄川駅で3回、自衛隊前駅で1回、不調が発生している。