エンジン01in釧路 市民向け講座から

エンジン01 in 釧路 市民向け講座から⑧

2018年12月04日 15時00分

「AIを活用して動かせる側に」

講 師

CGアーティスト 河口 洋一郎氏
ジェンコ代表取締役 真木 太郎氏
東大大学院工学系研究科特任准教授 松尾 豊氏

 東大大学院准教授の松尾豊氏は、現代社会においてAIと呼ばれているものはおよそ3つに分類されていると定義。1つはAという信号に対してBと反応するよう構築された仕組み、もう一つは多数のデータを収集し学習する仕組み。これら2つは昔から存在する仕組みで、現在、発展が著しいのは画像や映像などを解析するディープラーニングの分野であるとした。また、松尾氏は「AIに関して、日本は遅いと思う」と指摘する。それは、諸外国と比べ法律などの面で制約が厳しいことに由来しているとした。

 アニメーションなどを企画するジェンコ代表取締役の真木太郎氏が進行役を務めた。CGアーティストの河口洋一郎氏は、中国で芸術家の草間弥生氏を装った偽物の個展が開かれたことについて触れ、「本人以上に本人ぽい作品だった」と指摘。それを踏まえ「もしかするとAIに全てを学習させると、亡くなったアーティストの作品でもよみがえらせることができるのではないか」と予想した。

AIの発展について議論した

 また、建築物の意匠も挙げ、例えば建築家の隈研吾氏のデザインを模した低価格の建売住宅も造れるのではないかとし、AIが画像や映像を学び、アウトプットすることで、安価で大量生産されることによって起こるアートや個人の意匠価値低下を懸念した。

 これらの意見に対し、松尾氏は「本物が造ったことが価値を持つように、希少性は価値の原点である」と強調。一方で低価格化は同時に進行していくものの、「人がやっているということが価値の源泉となる」と述べた。

 そして、今後も発展を続けていくであろうAIとの向き合い方について、利用される立場ではなく、利用する立場であるべきだと提言した。

 例えば、ウェブ広告のように使用者の好みに合わせて出てきて知らず知らずのうちに見ているという状態のように、一部の人間が動かせる側で大多数が動かされる側という構造になることを危惧した。「日本はAIを活用して動かせる側にならなければならない」と強調した。


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