札幌電気工事業協同組合が、電気工事の担い手拡大に向け、女性の活躍を推進する環境づくりに乗り出した。市内で開いたワークショップで女性従事者が働きやすく、働き続けられる職場環境に関し討議。出産や子育ての理解と支援、一人一人の個性、能力に合わせた活躍場面づくりが重要との認識が示された。
■担い手拡大でワークショップ
電気工事従事者の高齢化、担い手不足の解消に向けた新たな取り組み。11月26日に中央区の北海道電気会館で開いたワークショップには、企業経営者など40人ほどが集まり、現場で働く女性発表者らと意見を交わした。
会場では女性技術者の先駆けとして北海道電力で活躍する工務畑出身の赤坂佳代子小樽支店長が基調講演。北電や市内の電気工事業で活躍する女性の施工従事者が、会場を交え、職場環境について話し合った。
赤坂支店長は講演で「男女の一番の違いは妊娠出産。私は制度が充実しているため働き続けられた。支援制度を充実させ、快く使ってもらうこと。これが女性の活躍につながる」と強調した。
参加者は、現場や作業が好きで電気工事の世界を目指した人、父や夫の仕事を手伝うために資格を取って現場に出る人などさまざま。
「新しい現場では近くの大型店舗などでトイレを確保する。夏は着替える場所がない」といった苦労話や、「女だからできないと否定されるのはつらい」と悔し涙が流れる場面もあった。
赤坂支店長は「男女で体力の差はあるが、男性で高所が苦手な人もいる。担当は適材適所で決めることが重要。女性を特別扱いし過ぎると働きづらくなる」と環境づくりをアドバイス。
札幌電設工事で班長として若手教育にも携わる七尾理恵さんは「男女を考える前に一人の人間として接していくことが大切」と話していた。
小野寺涼一理事長は「女性が活躍できる職場は、誰もが働きやすい」と強調。取り組み加速により「担い手確保の好循環をつくり出したい」と展望した。