米国を中心に不動産開発を手掛けるラッシュストリート(本社・シカゴ)は4日、国内の統合型リゾート(IR)市場に参入するため、苫小牧市内にオフィスを開設したと発表した。現地法人のラッシュストリートジャパン合同会社が、同市のIR運営事業者としてライセンスの申請を目指す。
ラッシュストリートは、米国などでカジノを含むIR事業や不動産開発のほか、高級ホテルやレストラン運営、テレビ制作などを手掛けている。米国の大手不動産デベロッパー・JMBリアリティと共同で国内に現地法人を設立し、両者が持つ地方型IRの開発、運営実績を苫小牧で生かす構えだ。
ラッシュストリートのニール・ブルーム会長は「苫小牧のIR開発に携わることで、道内経済の発展だけでなく、世界随一の観光地へ変革できるよう努めたい」と意欲を見せる。カジノ施設だけでなく国際会議場などのMICE施設や高級ホテル、商業施設、レストラン、美術館などを融合したIR開発を視野に入れている。
道内での統合型リゾート設置を巡っては、新千歳空港から陸路で10―15分とアクセスが良い苫小牧市が、他の候補地である釧路市や留寿都村よりも優位に立っている。ただ、IR誘致の是非について道は判断を明言していない。