天然ガスコージェネ構築で豊富町と北ガスが連携協定

2018年12月07日 18時00分

 豊富町は、豊富温泉の源泉と共に産出される天然ガスの地産地消を目指し、未利用天然ガスを活用したコージェネレーションシステムの構築に向けた具体的な協議に着手する。5日には北海道ガス(本社・札幌)との連携協定を締結。2020年度の稼働を目標に、未利用天然ガスの有効活用や災害に強いまちづくりに向けた検討を本格化させる。

 同町では、日本最北の温泉郷・豊富温泉の源泉と共に天然ガスが産出されており、温泉街の各施設や工業団地にある豊富牛乳公社のヨーグルト工場などに活用。1日当たり9240m³の天然ガスが出るが、夏で1日当たり1800m³、冬で3000m³と利用は一部にとどまっている。未利用ガスは温泉街にある天然ガス生産施設から放散しており、1日当たりの放散量は夏が7440m³、冬が6240m³に上る。

 11年度には出力25㌔㍗のガスコージェネレーションシステムを整備。17年度に完成した地域資源活用総合交流促進施設「湯の杜ぽっけ」にも同システムを設置した。9月に発生した北海道胆振東部地震に伴う停電では、施設内の電力確保に大きく貢献し、携帯電話の充電など災害時に能力を発揮した。

 事業展開としては、未利用天然ガスで発電し、電気と熱について豊富温泉地区や工業団地のほか、公共施設での活用を視野に検討を進める予定。また、将来的には発電した電気を風力発電のバックアップとしての活用に、熱を畜産バイオガス発電への有効利用につなげたい考え。

工藤町長(右)と大槻社長が連携協定に調印し、未利用天然ガス活用に協力することを確認した

 5日に町内の湯の杜ぽっけで開いた締結式には、工藤栄光町長と北ガスの大槻博社長が出席し、協定書に調印した。工藤町長は「天然ガスエネルギーの地産地消で、経済活性化や自然災害に強い町づくりを目指したい」と期待を込めた。大槻社長は「天然ガスで培った技術などを生かし、エネルギーの地産地消に向けた取り組みを手伝いたい。地元の支援を頂きながら、地方が元気に発展するモデルになるよう協力していく」と述べた。

 協定では①未利用天然ガスの有効活用方法の検討・推進②地域に賦存する再生可能エネルギー活用の検討・推進③豊富町の魅力を最大限に生かした災害に強いまちづくりの推進―という3項目で連携・協力することを確認。今後は両者が連携し、天然ガスの有効活用に向け需要と供給のバランスなどを見極めながら、発電規模や熱利用なども含めた事業計画を固める。


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