道科学大生が住宅の工程表づくりを体験、発表会も

2018年12月08日 07時00分

 内池建設(本社・室蘭)は、道科学大の建築学科3年生に住宅物件の工程表を作ってもらう体験学習をした。同社と協力会社で構成する勉強会「共育(きょういく)」の一環。現場見学を含め10月から全4回のカリキュラムを組み、最終回の6日は、学生がプレゼンテーションした。「足場の解体を金曜日にスタートし、土日の休日を挟んで月曜日に終了するよう見ているが、中途半端な状態だと倒壊の危険もあるので再考を」など本格的なアドバイスを受けていた。

■内池建設の勉強会「共育」アドバイス送る

 産学連携企画として2014年から取り組んでいる。7日の成果発表会には防水や板金、設備など協力会社16社が審査員として参加。学生は3グループに分かれ、それぞれ空想の建築会社を立ち上げて工程表を発表した。

思い思いの建築会社の工程表を発表した

 Aグループは寺本工務店の社名のもと、天候を予知することで工程管理を工夫。雨の日とコンクリート打設が重ならないよう調整した。さらに基礎と外構の配筋、型枠取り付け、コンクリート打設を同時進行することで、業者が何度も現場に足を運ばないよう配慮。工期を7日短縮することに成功したと発表した。

 Bグループの境谷建設は、外壁と内装、外部工事の歩掛かりを調べながら日程を調整した。休みを増やすことで、職人のモチベーションが上がるよう工程表を作成。クロス張りは職人1人当たり1日25m²とし、見積もり内訳書から建物のクロスの面積を出し、作業日数を割り出した。結果として「土日祝日が休みとなり、職人たちの自由な時間を増やせた」と話した。

 Cグループの林組は、1カ月目に土工と基礎工事、2―5カ月目に木工と内外装工事を施し、6カ月目で仕上げに入る工程を組んだ。工程表の空欄部分に検査項目の表を入れ、いつ検査をするか分かりやすくした。施主、現場で働く人を問わず見やすいよう工程表の文字は大きく、工種によって色分けするなど細部にも配慮した。

 審査員からは「クロス張りの作業量を増やしても仕上がりに不安を残すのでは」と指摘を受けたり、「字が大きいのはありがたい」など関心されていた。


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