美唄市は、事業費や施設規模に対して市民から懸念の声が挙がり、ことし3月から事業を一時中断していた市立美唄病院と保健福祉総合施設について、規模などを変更せず、これまでに進めてきた基本設計の内容をベースに事業を再開することを決めた。事業スケジュールは、当初計画より約1年ずれ込む見通しで、病院の実施設計は来年1月に指名競争で入札する予定だ。
市では、建設から50年以上が経過し、老朽化が進む市立病院(西2条北1丁目)の現地改築を計画。同じ敷地内に保健福祉総合施設も建設する方針を打ち出していた。
事業費は当初、新病院は約35億円、保健福祉総合施設は約5億円と試算していたが、労務単価や資材価格の上昇などを踏まえ、新病院を43億5700万円、保健福祉総合施設を7億1600万円に算定し直した。
こうした事業費の高騰に加え、今後の人口減少、財政状況などを懸念した市民から病院建設に反対する意見や、規模縮小を求める声が挙がったため、市は市民向け説明会を26回実施し、高橋幹夫市長自らが病院建設の必要性を直接訴えた。
また、市民や経済界、医療、学識経験者らで構成する市民委員会からも建て替えの必要性に対し理解を得ることができたことから、高橋市長は13日に開かれた市議会地域医療体制等調査特別委員会で、事業を中断していた病院建設について、これまで進めてきた基本設計をベースに事業に取り組む考えを表明。
規模は新病院がRC造、3階、延べ約7200m²、保健福祉総合施設がRC造、平屋、延べ約1340m²で、病院の病床数は一般病棟52床、療養病棟34床の合計86床となっている。基本設計は北海道日建設計が担当した。
事業が中断していたことから、今後のスケジュールは約1年後ろ倒しになる。来年1月に指名競争で実施設計を入札し、9月末までに業務を完了させ、新病院は20年夏から21年12月までの工期で建設。MRI棟は19年度に解体し、20年度には現病院の解体設計にも着手する。開院は22年4月を考えており、新病院完成後の21―22年度に現病院を解体する。
保健福祉総合施設は21年度に実施設計に取り組み、22年秋ごろから約1年かけて建設する見通しで、23年秋ごろの供用開始を目指す。両施設の外構は22―24年度に順次実施する予定となっている。