上士幌町は消防庁舎を移転改築する。耐震不足によるもので基本設計を年明け1月に指名型プロポーザル方式で発注する。3月に受託業者を決め、実施設計についても随意契約する。工事は2020年3月か4月に指名競争入札で発注する。21年4月の供用開始を目指す。総事業費は7億円を試算する。
消防庁舎(RC造、2階、延べ711m²)は役場庁舎(RC造、地下1地上2階、延べ3427m²)と一体で構成され、1981年に旧耐震基準で建てられた。15年度に行った耐震診断で消防庁舎は、最も低い構造耐震指数が0・267と、倒壊の恐れがある0・6を下回った。このため町では17年3月に策定した第5期総合計画基本計画で新庁舎の建設を盛り込んだ。
ことし4月に町と上士幌消防署、上士幌消防団の3者で協議を進めて基本構想の作成に着手。12日に開かれた町議会の総務文教厚生常任委員会に報告した。
新庁舎は①災害拠点施設②訓練施設③人と環境に優しい施設―の機能を持たせ、上士幌消防団の活動拠点施設にも活用する。救急や大規模災害に備えるとともに、普段は防災教育や防災展示コーナーの設置などを通して町民に開かれた消防防災施設にすることを目指す。200m²程度の多目的研修室を置き、軽スポーツなど健康増進に役立ててもらいたい考え。
建設地は現庁舎の北西側で上士幌クリニックの隣接地。現在は道有地のため取得に向けた準備を進めている。
上士幌消防署の救急搬送のうち3割が上士幌クリニックからの転院搬送となっている。医療機関の隣接地に消防庁舎を構えるケースは道内ではあまり例がなく、医療サービスの向上につながるような動線計画を新庁舎の設計では求める考え。
延べ1500―1900m²を想定。階高は決めず、上士幌クリニックへの採光を配慮するよう求める。保管する消防車両は11台ある。
町に指名参加願を提出している1級建築士事務所のうち、過去10年に消防庁舎を設計した実績を持つ者に指名する方針。8者程度を見込んでいる。