清田・里塚地区3ha地盤改良 液状化と土砂流動対策詳細

2018年12月20日 07時00分

 札幌市は19日、北海道胆振東部地震で、宅地に大きな被害があった清田区里塚地区の液状化、土砂流動対策の詳細を示した。範囲は里塚21号西側の盛り土部約3haに設定。対策の柱は地盤改良で、宅地に薬液注入、道路はセメント系の深層混合処理、公園が砕石置き換えと、場所に合わせ最適なものを選定し全体の工事スピードを早める。

■工法併用し早期復旧目指す

 同日、清田区体育館で開いた市街地復旧の説明会で秋元克広市長らが地元住民に説明した。

 範囲は国土交通省の市街地液状化対策の手引に従い設定。

 胆振東部地震を上回る、東日本大震災や、首都直下型の地震波で対策が必要な範囲を対象とし、里塚1条1丁目の西側、国道36号付近から北野里塚旧道線近くを範囲とする。深さは地表面から数mほど下の地下水位から、盛り土と地山境界の十数m前後を見込む。

 対策の中心になる地盤改良は、施工性や施工速度、経済性から場所ごとに最適な工法を採用する。

 宅地部は、地上に建物がある場合にも施工できるよう、前回示した斜めから施工可能な薬液注入を採用。

 直上から施工ができる道路は、薬注より施工が早いセメント系固化材を使った深層混合処理を用い、土中に柱状の改良体を連続させた壁を造り土砂流動を防止する。里塚中央ぽぷら公園は、広さを生かし土層を砕石に置き換え、液状化と流動を抑える。

 薬液注入と深層混合処理は、液状化防止で地下水を遮断するため、雨で流入した地下水が上昇しないよう道路や公園で排水対策を合わせて施す。

 公園の砕石は透水性が高いため、集まった地下水を三里川暗渠に排水。国道36号近くの市道も同様に路盤を透水性の高い砕石に置き換え、穴開き管で三里川暗渠へ誘導することで国道側の水流入を制御する。

 残る市道は復旧に合わせ地下水位より、やや高い位置に暗渠を設置し水位上昇を抑制する。

 1月以降、工事の同意を得るため宅地所有者との協議に入る。震災で用地境界がずれているため、所有者立ち会いの上で用地確定測量も進める。

 並行して工法の詳細検討を進め、同意が得られれば、雪解け後に道路、宅地の地盤改良に着手する方針。2019年度後半から暗渠や地下埋設物施工に入り、20年度から工事ヤードに用いる公園や路面復旧に入り、同年度中の対策完了を目指す。

 市街地液状化の対策樹立は東日本大震災で被害のあった千葉県浦安市で約5年、熊本地震の熊本市で約2年を費やした。

 札幌市は、こうした知見も生かし、コミュニティー維持の早期復旧を旗印に、3カ月という異例の早さで対策をまとめた。特性に合わせた工法併用も全国初の試みとなる。


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