福山城天守木造復元 本丸表御殿も構想 松前町

2018年12月22日 07時00分

 松前城(福山城)天守の木造復元に向けて松前町は2019年度、整備基本構想・年次計画の策定作業に取り掛かる見通しだ。当時の木造天守は現時点で3階建て、延べ340m²程度と推計し、松前城資料館の展示物などを保存する本丸表御殿の整備も構想する。遺構や史実などから施設規模は延べ780m²程度を想定している。整備期間は最短で16年、概算事業費は36億円を見込んでいる。

 福山城天守整備を巡っては、審議会の答申に基づき住民意見交換会やアンケートを実施。財政状況的に可能であれば木造復元という意見が多かったことなどを踏まえ、12日の第4回定例町議会で石山英雄町長が整備の方向性を正式に表明した。

雪化粧した福山城復興天守。木造復元や隣接地の本丸表御殿整備に向けた検討を本格化させる

 福山城は1854(安政元)年に完成。1935年に福山城跡が国の史跡に指定されている。41年に木造天守が国宝に認定されたが、49年に焼失。59年に松城144にRC造、地下1地上3階、延べ455m²の規模で再建工事に着工し、約1年で完成、現在に至る。

 一方、本丸表御殿は4棟構成だった本丸御殿南側の1棟。1875年から1900年にかけて松城小校舎として活用され、同小の改築の際には解体材の一部を使用し、大引きや柱・梁などは保存もしている。本丸広場となっている復興天守の西側に玄関が現存する。

 事業費推計は概算で天守整備に30億円、本丸表御殿を復元する文化財展示施設整備に6億円を試算。大広間を擁する表御殿では展示施設のほか、ことし、国の重要無形民俗文化財に指定された松前神楽が歴史上初めて奏上された場所としての活用も視野に入れる。

 これらは文化庁の文化審議会の審査・承認が不可欠となる。資料調査と並行して協議を重ね、整備基本構想・年次計画の策定を進める。また、詳細な事業把握や道に対する支援要請など財源確保にも取り組み、実現を目指していく。

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